まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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予算と組織の一般的傾向

このブログの過去の記事を読み返してみたのですが、そこで「予算」について言及したところを改めて読んでみて少々思うところがあったので、ツィッターでつぶやいてみました。

それが下記の枠内の記述(ちなみに、ハッシュタグは省略)

予算先行主義の弊害(その1)。あらかじめ決められた予算額を前提とすると、達成目標が予算額に拘束されるため、その範囲内でしか企画を立てられなくなる。つまり、最初から可能性の範囲を狭めてしまうため、より効果的な施策を講じることが非常に難しくなる。

予算先行主義の弊害(その2)。商品企画にしても事業企画にしても、予算範囲を確定せずに立案することでより効果的なアイデアを捻出ことができる。なぜならば、予算に拘束されない分、自由な発想で企画立案を行うことが可能だからである。

予算先行主義の弊害(その3)。もちろん自由な発想で企画を立案しても、実現可能性・対費用効果を考えた場合、ボツになるアイデアは出てくる。それは企画立案後に予算範囲を明らかにした後に精査していけばよい事である

予算先行主義の弊害(その4)。自由な発想の元で立案された企画には当然、自由な分、粗が目立つものである。しかし、それを予算と照らし合わせムダな部分やコストカットできる部分を精査することで、より質の高い企画へと発展させることができる。

予算先行主義の弊害(その5)。すでにある予算を前提として企画を立てた場合、予算に合わせて何をするかを決定するので、まずもって実現目標にあわせてムダな部分やコストカットできる部分を精査するということを避けるようになる。

予算先行主義の弊害(その6)。すなわち予算額を前提とすると、その金額にあわせてなんら工夫をするということがなく、あらかじめ限界が定められてしまうことになるため、実現目標の設定も必然的に低く抑えられるようになる。

予算先行主義の弊害(その7)。しかも、目標設定を低くすることにより余剰予算が生じることが多く、その余剰予算は大概、無駄な経費として費消されることになる(実は、現在の国や地方公共団体の予算システムの弊害はここにある)。

予算先行主義の弊害(その8)。確実な予算配分によって確実な事業成果を達成することを目指すあまり、予算先行主義を合理的な事業推進の方法と考える傾向が顕著だが、そこから得られる果実は実に少ないものと考えるべきである。

予算先行主義の弊害(その9)。そもそも事業計画は予算を費消することが目的ではなく、予算を活用して組織を効率よく運営することにある。予算の意義とは、「いくら必要」ということにあるのではなく、「どのように配分するか」ということにあると思う。

過去の経験をもとに考えてみても、大概何かやるときは、あらかじめ予算額が決まっていて、その範囲で仕事の目標を設定するということが、組織の常態となっています。

人間というものは、あらかじめ限界が設定されていると、その水準よりも低い目標を設定する傾向があります。

それは「確実を期す」という言葉で正当化されますが、実際には予算超過のリスクを回避するというよりも、自らが実現すべき目標水準を低く設定する言い訳となることが多分にあります。

「これだけの予算しかないから、これだけのことしかできません」という具合ですね。

そして達成目標を低く設定することによって、大抵の場合消化しきれない予算が生じることになります。そこでよく行われるのが、経費の無駄遣いです。
既存の業務と関連があるように見えて、実際には必要のない業務を創造することによって予算を消化するというように、あくまで当初、立案された計画との関連性を偽装する形で無駄遣いが行われるのです。

よくありますよね。年度末が近づいてくると増える道路補修工事なんかはその典型ですよね。

これは予算消化をしないと翌年度から当該予算が削減されるという「予算の単年度消化の原則」の悪弊だったりします。

こういった組織のムダを一般法則として提唱した古典的著作として有名なのが、行政学・経営学の分野で名著として知られている『パーキンソンの法則』という本です。
これはなかなかタメになる本なので、読んだことがないという方は是非とも読んでみてください。

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

C.N.パーキンソン / 至誠堂


ついでに、下記の本もおススメ。

ピーターの法則

ローレンス・J・ピーター / ダイヤモンド社


とりあえず今回は、限られた資源を有効に活用するためには予算先行で考えるのではなく目標設定を先行し、予算を適正に配分するように工夫をすべきではないかということを、企画立案の方法(いちおう組織運営の方法にも関わってきますが)という視点から考えてみました。
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by mmwsp03f | 2012-04-23 12:29 | 経営・経済事情

グロービッシュの効果

日本では、4月は新入学・新社会人デビューの季節なわけですが、これから新生活が始まるにあたって、ちょいと気になるのが「英語」問題。

ここでいう「英語」問題とは、新入生・新社会人に限らず日本人の多くは実践的な英語が使えないという問題と私が勝手に定義しておきます。

さて、以前このブログでも取り上げました巷で話題の企業の「英語公用語化」によって、それまで「英語なんかできなくったって、仕事は出来るからやらなくったっていい」と考えていた人たちも、「このまんまじゃクビになっちゃうかも…」、「世の中の動きについていけなくなっちゃうかも…」と「英語」を遅ればせながら、かなり意識するようになってきています。

ファーストリテイリングなどは今年3月に「英語公用語化」を実現するようなことを言っていましたが、このような動きに追随する企業が増えてきていますね(ところで、このファストリの「英語公用語化」って、うまくいってるんですかね?)。

これからは海外に積極的に進出し、外国人と取引するんだからビジネスパーソンとしては国際公用語となっている英語は話せなきゃいけないというので、英語の勉強にいそしんでいることと思います。

だけど一朝一夕で話せるようにはなりませんよね。
数ヶ月勉強しているけど、全然話せるようにならないし、相手の言っていることも聞き取れないという人って、かなり多いと思います。

なかなかうまくいかないときには、やはり発想の転換が必要なのかなと思います。

そこで要注目なのがグロービッシュ(Globish)という英語活用法。
グロービッシュとはGlobalとEnglishをかけあわせた造語で、非ネイティブ(日常的にその言語を使ってコミュニケーションをしていない人)向けの簡単英語のことです。

グロービッシュの基本的な考え方や会話例等を示す代表的な本。
グロービッシュは、語彙力のアップや多様な表現を覚えることを目指すのではなく、よく使われる単語1500語とその派生語に絞って簡単な表現で相手に伝えるコミュニケーション・ツールとして英語を捉えているところに特徴があります。
語彙を増やす、多様な表現を覚えても、実践的な会話の場面で使えなければ意味はない。すぐに出てくる簡単な表現で間違えてもいいから、とにかく自分から相手に伝えようとする姿勢が大切ということが強調されています。
【関連情報】
■著者のブログサイト→非ネイティブのビジネス英語術
■出版元の紹介ページ→通じなかった英語が一変する 驚異のグロービッシュ英語術(高橋書店)

当然のことながら、こういう方法は非常に安易であると批判が多いことも事実。
ネット上でもグロービッシュの学習効果について疑問・批判を提起しているサイトは数多くありますが、雑誌・書籍などでも批判的な評価を掲載しているものがあります。
その代表的なものが、下に示す晋遊舎という出版社が出している雑誌。

この雑誌には、巻頭特集として「巷でうわさの簡単英語に白黒つける! グロービッシュ辛口採点簿」というものが掲載されています。
ここでは、グロービッシュは「日本人には向いていない」という結論が示されています。
英語教育の専門家とネイティブ(国籍不明だけど、恐らくアメリカ人)のグロービッシュに対する評価、現役大学生のグロービッシュ学習体験による英会話力の変化について掲載されています。

【出版元の雑誌紹介】
英会話完全ガイド 非ネイティブの英会話(晋遊舎)

さて、この雑誌の特集を読んでみて私の感想はといいますと、書かれていることには一理あるものの、何だか無理やり「日本人向きじゃない」とか大して効果がないという結論を導いている感が否めませんでした。

確かに、1500語を覚えれば会話ができるかという点については、自分から発話することはできても相手の言っていることが理解できるかという点については疑問が残ります。

ただしグロービッシュの目的は、まず相手に伝わる平易な表現を覚えることにあり、普段英語で話しかけられても、自分の言いたいことをいえなかった状況を打開することにあります。

関口雄一さんが『驚異のグロービッシュ英語術』の中でも書かれていますが、ネイティブと同じレベルの会話力を身につけることを目標にしてしまうと萎縮して失敗を恐れるようになり、なかなか会話に踏み切ることができないばかりか、インプットによって知識を増やすばかりで、それを効果的に活用してコミュニケーションをとることがかえって難しくなります。

つまり、「まず『通じれば十分』と気楽に向き合うこと」から始めることで、英語への苦手意識を克服することが英語上達の第一歩だということです。

英語教育の専門家(三田教育研究所の平田周さんという方)からの指摘に基づくグロービッシュに対する「日本人の弱点をカバーするようには出来ていません!」という評価は、少々的外れかなと思います。

「文法や慣用句に対するフォローは特にない」と書かれてありましたが、『驚異のグロービッシュ英語術』の中では簡単に文法の基本についての記載もありました(ただし、慣用句についてのフォローは特になし)。

いわば、それまでの英会話に対する苦手意識を克服するための手段であって、グロービッシュを提唱する人たちも英会話がすべてフォローされるなどとは考えていないでしょう。
関口さんは、本書において「まずはグロービッシュ単語に絞って、話す力をアップさせる」ことを提唱していることからも、グロービッシュ後のことを想定していることが容易にわかります。

あと、ネイティブのジョーンズさんもネイティブの会話表現はわからないだろうけど、ちゃんとネイティブには言っていることが伝わると評価していますし、会話が苦手な現役大学生が1ヶ月間グロービッシュをやってみたら、若干会話力がアップしたという実験結果が示されていて、まったく日本人に不向きというわけではないというのが実証されています。

それなのに、日本人には不向きと結論付けるのはおかしいと思いません?

なんだか、グロービッシュは役に立たないという結論ありきで過小評価しているように思えるんですが…。

いずれにせよ、英会話への心理的なハードルを下げ、とっつきやすくするという点から、グロービッシュはそれなりに効果が期待できると思います。

だけど、先にも述べたとおりグロービッシュはあくまで英会話のベースとして考えるべきもので、それで完結してしまうことがないようにすべきだとは思いますが…。

自分の言っていることが通じるようになれば会話が楽しくなってきて、自分からもっと色々な表現を覚えようとするでしょうから、そんな心配は杞憂に終わると思いますけどね。
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by mmwsp03f | 2012-04-09 18:33 | 教育