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まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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「自己PR」の虚構

今この時も,就活で内定をもらえず苦労している学生は数多いことと思います。また,再就職のための活動で苦労している失業者もかなりな数に上ります。

たぶん,就職活動でもっとも苦労することの一つが「自己PR」。

よく面接担当者が就活で学生に対して「○分以内で自己PRしてください」なんてことを要求したりしますが,私はこれ自体大して意味のある質問だとは思いません。

ネットを眺めていて,たまたま私同様に「自己PR」は不要だという主張をしているブログを発見したので,ちょっとご紹介。

【情報源】
面接において「○分間で自己PRをお願いします」なんて会話はいらない(ブログ「就活生に甘える社会人」)

このブログ主の方は,自己PR・自己分析を意味のないものというよりは,全く不要と完全否定をしています。
他の記事を見てもかなり過激な主張もあったりするのですが,大体において的を射た発言が多いようです。

で,当の自己PRに関するブログ記事を読んでいくと,下記のような記述があり,確かにその通りだよねと思った次第。
「○分間で自己PRをしてください」との質問は、「はい、私の強みは○○です。学生時代、私は~な活動に取り組み・・・」というテンプレを答えることにつながりやすい。就活生のマニュアル依存が批判されるけれど、自己PRを求める質問に対しダイレクト且つ簡潔に答えようとすると、どうしてもテンプレ通りのものになるのは避けられない。それに対して雑談面接だと用意してきた答えを喋ることは少なくなり、自然な会話が成立しやすくなるのは想像に難くない。
質問の仕方で受け答えが変わるのは当然のことで,マニュアル化された質問に対しては,大概マニュアル化された答えが返ってきます。
マニュアル化された答えというものは,内容が形式的になりがちで,実際に答えた側の本音や思いが伝わりにくいものです。

それに,面接担当者が自分からマニュアル化された質問をしておきながら,回答する側にはマニュアル化された回答を否定するというのはおかしな話であって,もし相手のことをちゃんと見定めたいと思うのであれば,質問の仕方を工夫する,本音を聞き出せる雰囲気づくりに配慮するという努力を惜しんではなりません。

ところが自分たちのことは棚に上げて,「○分以内で自己PRを…」に対するマニュアル化された回答に対して否定的なことを言ったりします。

私も同様のことを,学生時代ではなく数年前に経験しました。

東証2部上場のとある有名進学塾の中途採用の面接で,開口一番「○分以内で自己PRをしてください」ときました。
それで,自己PRらしきものが終了した時点で「あなたの言っていることには説得力がない」と言われてしまいました。

当然,自分の回答のしかたにも問題があったことは事実ですが,「自己PR」が終わった時点でその内容を否定できるだけの材料はないはずなのに,「説得力がない」とする主張には正直閉口しました。

会社説明会と称して自社の自慢しかしていない,何度もコピーを繰り返して文字がつぶれてしまっているような採用試験問題(解答用紙は解答欄が斜めになっていました)を使っているような会社でしたので,明らかに採用選考の手間をかけないようにしているということがありありと見て取れました。

このことから,自社を支える人財を得るための採用選考の手間を極力抑えようという意図が垣間見えます。

その会社は頻繁に社員募集広告を出していますので,自社にとって必要となる人財を確保できなかったか,獲得してもすぐに辞められているかのどちらかだと思います。

結局は,面倒くさがって手間を省いた結果が離職率の更新と頻繁な採用選考の繰り返しにつながっているわけです。

いうなれば「○分以内で自己PR」は,採用選考における怠慢の象徴なのです。

以前にも何度か書きましたが,自社の採用選考に手間暇を惜しんではいけません。
自社を支える人財を発掘する貴重な機会なわけですから,どうしたら有能な人財を獲得できるのか,どのような採用選考をすればよいのかを考え続けることが肝心なのです。

それを惜しんで,「有能な人がなかなかいないよね」というのは勘違いもはなはだしいと言わざるを得ません。
今までの就活の慣例で失敗を繰り返しているのにもかかわらず,再考しようとしないのは愚の骨頂と言えます。

私は「自己PR」自体を完全否定するものではありませんが,ただ「○分以内で自己PR」などという,面接を受ける側への単なる丸投げという怠慢を繰り返すことは人事の主要な目的を放棄しているのと同じことです。
どうやったら相手の能力を見極めることができるか,もっと効果的な人財発掘の方法は人事の最重要課題のはずです。

人事は,いいかげん「○分以内で自己PR」に象徴されるような怠慢から脱却すべきなのです。
by mmwsp03f | 2012-10-03 12:38 | 日々雑感