教材のゲーム化による学習効果
2010年 10月 18日
ココのところブログの更新をサボり気味ですが,さすがに毎日更新はきついので1日おきとか,ちょっとインターバルを置きつつ,更新を続けていこうと思います。
これでも半年間で150件の記事を投稿してまいりましたので,まあそこそこがんばった方なのかなと…
筆不精な私としては,快挙ではないかと思っていたりします。
さて,そのような前置きはさておいて,先週末はいろいろと話題が豊富だったようで,新垣結衣がコワモテのアニキになっていたりということでAmazonはお祭り状態でした。
さすがにAmazonも現在では該当ページの正常化を図っておりますが,現在ではイメチェン時の"ガッキー"の姿を見れなくなって惜しむ声がちらほらと投稿されております。
【関連情報】
■新垣結衣=竹内力!? Amazonでカレンダーの商品画像が混乱(IT総合 - エキサイトニュース)
■新垣結衣 2011年 カレンダー(Amazon.co.jp)
ところで話題は変わりますが,以前当ブログの「デジタル教材と教育効果」という記事で紹介した「デジタル教科書教材協議会(略称=DiTT)」が推進している小中学校におけるIT教材導入との関連で,「Business Media 誠」というニュースサイトにて野島美保さん(成蹊大学准教授)という方が,教育コンテンツとしてゲームを本格導入することの効果についてコラムを書かれています。
【関連情報】
■ゲームの情熱は勉学に向けられるか?――教育ゲームの可能性(経済コラム - エキサイトニュース) → 〔元記事〕ゲームの情熱は勉学に向けられるか?――教育ゲームの可能性(Business Media 誠)
■野島研究室(成蹊大学サイト内コンテンツ)
このコラムは,オンラインゲーム等に熱中する若者の志向を,学習へ結びつけて学力向上に役立てることはできないかをテーマに書かれているものです。
記事の内容をご覧いただければお分かりかと思いますが,ゲーム・コンテンツを効果的な学習に結びつけ,生かしていくことはかなり難しい課題ということができます。
野島さんは学習に対するモチベーションをいかにして維持していくかということを課題と考えられているようですが,実は単にモチベーションを維持するということだけでは解決しない課題であったりします。
ここで注目すべきなのが,モチベーションの方向性。
実はゲームにおけるモチベーションというのは,ゲーム・クリアによってもたらされる満足感です。
野島さんは「他人と自分との差や関係が分かりやすく、個人の努力量が可視化されること」ことがオンライン・ゲームにおけるモチベーションの特徴だとおっしゃっています。
ところが,ゲームは達成されるとそこで目的が完結してしまうということ。
つまり,モチベーションが消失するわけです。
そうなると別のゲームに関心が移ってしまい,それまで取り組んでいたゲームへの関心度は著しく低下し,やらなくなるか惰性でやることになります。
よっぽどキャラクターやストーリーに思い入れがない限り,達成したゲームに対する関心を維持することは難しいといえるでしょう。
であれば完結しないゲームにすればよい。ストーリーが次々に発展していくゲームにすればモチベーションが維持できるという反論があるかと思いますが,「完結しない」ということは,それこそモチベーションの維持が難しく,先が見えないので「目標意識」が失われることになります。
それから,コラムでは学習の実績に応じてレアアイテムを付与するというオンライン・ゲームでのビジネスモデルを応用する案を論じられていますが,この点については「アイテムという“人参”がないと勉強できなくなる恐れもある」と問題点を示していらっしゃいます。
しかし問題はそれだけではなく,レアアイテムを獲得することが目的となり,関心は点数を取ることに向いてしまうことになります。
つまり,レアアイテム獲得という目的を達成したら,あとは用なしになってしまうということ。
本来の教材の使命は,学習している内容に関心を持たせ,理解させることです。
ところが,「他人と自分との差や関係が分かりやすく、個人の努力量が可視化されること」に力点を置くと,「他者に勝つこと」「ゲームにクリアすること」にモチベーションがシフトしてしまうことになります。
要するに,学習内容とは関係ない方向へ関心を向けても学習効果はあがらないということです。
先にも書いたとおり,キャラクターやストーリーへの思い入れを抱くように,学習内容へいかに関心を持たせるかを抜きにして,ゲームを学習教材として応用しても効果はあがらないと思います。
歴史シミュレーション・ゲームなどの愛好者を見るとわかるように,ゲームで登場する歴史的人物(例えば,織田信長や伊達政宗など)や扱われている事件(三国志など)に関心があるからこそ,そのゲームをやろうと思うわけですから,そういう点を見逃してはならないでしょう。
ゲームを通じて,知的好奇心を如何に喚起するかが最も重要ではないでしょうか?
これでも半年間で150件の記事を投稿してまいりましたので,まあそこそこがんばった方なのかなと…
筆不精な私としては,快挙ではないかと思っていたりします。
さて,そのような前置きはさておいて,先週末はいろいろと話題が豊富だったようで,新垣結衣がコワモテのアニキになっていたりということでAmazonはお祭り状態でした。
さすがにAmazonも現在では該当ページの正常化を図っておりますが,現在ではイメチェン時の"ガッキー"の姿を見れなくなって惜しむ声がちらほらと投稿されております。
【関連情報】
■新垣結衣=竹内力!? Amazonでカレンダーの商品画像が混乱(IT総合 - エキサイトニュース)
■新垣結衣 2011年 カレンダー(Amazon.co.jp)
ところで話題は変わりますが,以前当ブログの「デジタル教材と教育効果」という記事で紹介した「デジタル教科書教材協議会(略称=DiTT)」が推進している小中学校におけるIT教材導入との関連で,「Business Media 誠」というニュースサイトにて野島美保さん(成蹊大学准教授)という方が,教育コンテンツとしてゲームを本格導入することの効果についてコラムを書かれています。
【関連情報】
■ゲームの情熱は勉学に向けられるか?――教育ゲームの可能性(経済コラム - エキサイトニュース) → 〔元記事〕ゲームの情熱は勉学に向けられるか?――教育ゲームの可能性(Business Media 誠)
■野島研究室(成蹊大学サイト内コンテンツ)
このコラムは,オンラインゲーム等に熱中する若者の志向を,学習へ結びつけて学力向上に役立てることはできないかをテーマに書かれているものです。
記事の内容をご覧いただければお分かりかと思いますが,ゲーム・コンテンツを効果的な学習に結びつけ,生かしていくことはかなり難しい課題ということができます。
野島さんは学習に対するモチベーションをいかにして維持していくかということを課題と考えられているようですが,実は単にモチベーションを維持するということだけでは解決しない課題であったりします。
ここで注目すべきなのが,モチベーションの方向性。
実はゲームにおけるモチベーションというのは,ゲーム・クリアによってもたらされる満足感です。
野島さんは「他人と自分との差や関係が分かりやすく、個人の努力量が可視化されること」ことがオンライン・ゲームにおけるモチベーションの特徴だとおっしゃっています。
ところが,ゲームは達成されるとそこで目的が完結してしまうということ。
つまり,モチベーションが消失するわけです。
そうなると別のゲームに関心が移ってしまい,それまで取り組んでいたゲームへの関心度は著しく低下し,やらなくなるか惰性でやることになります。
よっぽどキャラクターやストーリーに思い入れがない限り,達成したゲームに対する関心を維持することは難しいといえるでしょう。
であれば完結しないゲームにすればよい。ストーリーが次々に発展していくゲームにすればモチベーションが維持できるという反論があるかと思いますが,「完結しない」ということは,それこそモチベーションの維持が難しく,先が見えないので「目標意識」が失われることになります。
それから,コラムでは学習の実績に応じてレアアイテムを付与するというオンライン・ゲームでのビジネスモデルを応用する案を論じられていますが,この点については「アイテムという“人参”がないと勉強できなくなる恐れもある」と問題点を示していらっしゃいます。
しかし問題はそれだけではなく,レアアイテムを獲得することが目的となり,関心は点数を取ることに向いてしまうことになります。
つまり,レアアイテム獲得という目的を達成したら,あとは用なしになってしまうということ。
本来の教材の使命は,学習している内容に関心を持たせ,理解させることです。
ところが,「他人と自分との差や関係が分かりやすく、個人の努力量が可視化されること」に力点を置くと,「他者に勝つこと」「ゲームにクリアすること」にモチベーションがシフトしてしまうことになります。
要するに,学習内容とは関係ない方向へ関心を向けても学習効果はあがらないということです。
先にも書いたとおり,キャラクターやストーリーへの思い入れを抱くように,学習内容へいかに関心を持たせるかを抜きにして,ゲームを学習教材として応用しても効果はあがらないと思います。
歴史シミュレーション・ゲームなどの愛好者を見るとわかるように,ゲームで登場する歴史的人物(例えば,織田信長や伊達政宗など)や扱われている事件(三国志など)に関心があるからこそ,そのゲームをやろうと思うわけですから,そういう点を見逃してはならないでしょう。
ゲームを通じて,知的好奇心を如何に喚起するかが最も重要ではないでしょうか?
by mmwsp03f
| 2010-10-18 12:33
| 教育