まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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「自己PR」の虚構

今この時も,就活で内定をもらえず苦労している学生は数多いことと思います。また,再就職のための活動で苦労している失業者もかなりな数に上ります。

たぶん,就職活動でもっとも苦労することの一つが「自己PR」。

よく面接担当者が就活で学生に対して「○分以内で自己PRしてください」なんてことを要求したりしますが,私はこれ自体大して意味のある質問だとは思いません。

ネットを眺めていて,たまたま私同様に「自己PR」は不要だという主張をしているブログを発見したので,ちょっとご紹介。

【情報源】
面接において「○分間で自己PRをお願いします」なんて会話はいらない(ブログ「就活生に甘える社会人」)

このブログ主の方は,自己PR・自己分析を意味のないものというよりは,全く不要と完全否定をしています。
他の記事を見てもかなり過激な主張もあったりするのですが,大体において的を射た発言が多いようです。

で,当の自己PRに関するブログ記事を読んでいくと,下記のような記述があり,確かにその通りだよねと思った次第。
「○分間で自己PRをしてください」との質問は、「はい、私の強みは○○です。学生時代、私は~な活動に取り組み・・・」というテンプレを答えることにつながりやすい。就活生のマニュアル依存が批判されるけれど、自己PRを求める質問に対しダイレクト且つ簡潔に答えようとすると、どうしてもテンプレ通りのものになるのは避けられない。それに対して雑談面接だと用意してきた答えを喋ることは少なくなり、自然な会話が成立しやすくなるのは想像に難くない。
質問の仕方で受け答えが変わるのは当然のことで,マニュアル化された質問に対しては,大概マニュアル化された答えが返ってきます。
マニュアル化された答えというものは,内容が形式的になりがちで,実際に答えた側の本音や思いが伝わりにくいものです。

それに,面接担当者が自分からマニュアル化された質問をしておきながら,回答する側にはマニュアル化された回答を否定するというのはおかしな話であって,もし相手のことをちゃんと見定めたいと思うのであれば,質問の仕方を工夫する,本音を聞き出せる雰囲気づくりに配慮するという努力を惜しんではなりません。

ところが自分たちのことは棚に上げて,「○分以内で自己PRを…」に対するマニュアル化された回答に対して否定的なことを言ったりします。

私も同様のことを,学生時代ではなく数年前に経験しました。

東証2部上場のとある有名進学塾の中途採用の面接で,開口一番「○分以内で自己PRをしてください」ときました。
それで,自己PRらしきものが終了した時点で「あなたの言っていることには説得力がない」と言われてしまいました。

当然,自分の回答のしかたにも問題があったことは事実ですが,「自己PR」が終わった時点でその内容を否定できるだけの材料はないはずなのに,「説得力がない」とする主張には正直閉口しました。

会社説明会と称して自社の自慢しかしていない,何度もコピーを繰り返して文字がつぶれてしまっているような採用試験問題(解答用紙は解答欄が斜めになっていました)を使っているような会社でしたので,明らかに採用選考の手間をかけないようにしているということがありありと見て取れました。

このことから,自社を支える人財を得るための採用選考の手間を極力抑えようという意図が垣間見えます。

その会社は頻繁に社員募集広告を出していますので,自社にとって必要となる人財を確保できなかったか,獲得してもすぐに辞められているかのどちらかだと思います。

結局は,面倒くさがって手間を省いた結果が離職率の更新と頻繁な採用選考の繰り返しにつながっているわけです。

いうなれば「○分以内で自己PR」は,採用選考における怠慢の象徴なのです。

以前にも何度か書きましたが,自社の採用選考に手間暇を惜しんではいけません。
自社を支える人財を発掘する貴重な機会なわけですから,どうしたら有能な人財を獲得できるのか,どのような採用選考をすればよいのかを考え続けることが肝心なのです。

それを惜しんで,「有能な人がなかなかいないよね」というのは勘違いもはなはだしいと言わざるを得ません。
今までの就活の慣例で失敗を繰り返しているのにもかかわらず,再考しようとしないのは愚の骨頂と言えます。

私は「自己PR」自体を完全否定するものではありませんが,ただ「○分以内で自己PR」などという,面接を受ける側への単なる丸投げという怠慢を繰り返すことは人事の主要な目的を放棄しているのと同じことです。
どうやったら相手の能力を見極めることができるか,もっと効果的な人財発掘の方法は人事の最重要課題のはずです。

人事は,いいかげん「○分以内で自己PR」に象徴されるような怠慢から脱却すべきなのです。
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by mmwsp03f | 2012-10-03 12:38 | 日々雑感

職業選択の不自由

私の知り合いに川崎市内に薬局を数店舗経営している人がいるのですが,その人が先日,求人をしてもなかなかいい人が来てくれないと漏らしていました。

聞くところによると,薬剤師の人手不足で求人をしているそうなんですが,大学の薬学部に募集をかけてもほとんど応募がないらしく,人材紹介会社にも数社へ声をかけているそうなんですが,なかなか紹介をしてこないそうです。

それで,ようやく人材紹介会社が以前個人で薬局を経営していたという56歳の人を紹介してきたので,とりあえずためしに雇ってみた(おそらく紹介予定派遣)ところ,仕事はなかなか覚えないし,自分のやり方を頑なに守り,職場環境の変化に適応できない人だったらしく,結局やめてもらったとのこと。

待遇としては,年棒500万円で中小企業としては悪くはないほうです。

近年,医薬分業の進展によって調剤薬局の数が増えたことにより,薬剤師不足が叫ばれるようになっています。
その理由としては,薬学部の修了年限が4年から6年に延長され,一時的に人手不足になっているという指摘もありますが,やはりそれが主要因とは言えないでしょう(それにこれは一時的な供給減ですし)。

厚生労働省の調査によると,平成6年~22年までの薬剤師数(総数)は統計年次毎9,000人前後増えています。

【関連情報】
医師・歯科医師・薬剤師調査=薬剤師数の年次推移(平成6年~平成22年),業務の種別(CSVファイル)(e-stat: 政府統計の総合窓口)

薬剤師のうち薬局勤務者が圧倒的多数で,平成22年のみで見てみると約53%を占めています。

年々薬剤師は増え続けているわけですが,それなのに中小の薬局で薬剤師不足の声が聞かれるということは,企業・事業所によって就業する薬剤師が遍在していることを示しています。
中小の薬局よりもマツモトキヨシやハックドラックのような大手の薬局・薬店を希望したり,より便利な場所の薬局・薬店への就業を希望したりしているということなのでしょう。

最近では,学生の大企業志向に少し変化が見られたようで,中小企業の合同企業説明会に積極的に参加する就活生が増えてきたとのことです。
そんなこともあって,先の薬局経営者の知り合いに,大学と積極的につながりをもつ意味からインターンシップを導入してみたらどうか?というようなことも言ってみたのですが,あまり乗り気ではないご様子。

大学に求人出しても応募はないし,人材紹介会社はろくな人を紹介してこないしで,なんとなくあきらめムードが漂っていましたねえ。

ちなみに,人材紹介会社(人材派遣会社含む)を介して就職・転職に成功したという人はごく一握りで,人材紹介会社に登録してもほったらかしのままという人がかなりたくさんいます。
これら紹介会社は経歴から確実に採用されそうで高く売り込みができそうな就職・転職希望者にだけ積極的にアプローチをし,登録者の資質・人柄などをきちんと見据えて,企業に売り込むことをしていません。

かの薬局経営者の知人は,人材紹介会社は「金だけはしっかりとっていくんだよね」と漏らしていましたが,このようなことを口にするということは,件の人材紹介会社はその後のフォローをちゃんとしていなかったのでしょう。

しかし,それと同時に薬学部の就活生がぜんぜん見向きもしないことにも失望を隠せないといった感じでもありました。

就職難の陰には,実は有名な大手企業へ就職・転職希望者が集中してしまい,そこからあぶれてしまった人たちが就職できなかったといったこともあると思います。

中には「仕方がないから」といったような消極的な姿勢で中小企業をまわる人もいるようですが,そういうことだと,その企業のいいところはなかなか見えないと思いますし,企業側からも良い人財とみなしてもらえないでしょう。

就職・転職希望者の行動によって採用する側を失望させ,積極的な雇用への取り組みを控えるムードを作り出してしまっていることもあるということを考えてみてもらいたいと思います。

自分たちの行動が,自らの就業機会を奪ってしまうこともあるのだなあと考えさせられるお話でした。
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by mmwsp03f | 2012-07-18 12:26 | 日々雑感

物議をかもす採用基準

去る2月2日に、老舗出版社の岩波書店がWeb上の「社員募集要項」で、2013年の社員募集における応募条件を「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」と公表したことが物議を呼んでいます。

この社員募集は、要項の中に「2013年度定期採用(経験者含む)」とあるように、既卒者を含むものとなっています。

【関連情報】
岩波書店-2013年度 社員募集要項(岩波書店著者・社員紹介)
岩波書店:就職応募条件に「社員紹介必要」(毎日.jp)
岩波書店、採用で「著者か社員の紹介必要」(YOMIURI Online)
岩波書店の「縁故採用」宣言 そんなに悪いことなのか(J-Castニュース)
大手出版・岩波書店、2013年度の社員応募条件に著者からの紹介状など挙げる(FNNフジニュースネットワーク、動画あり)

最近、あまりにも応募者が多いので「足きり基準」を懸命に考えて、それを公表した途端、世間からバッシングを受ける企業があとを絶ちません。

以前、キヤノンが在学校別の説明会受付をしていたことが問題となりましたが、今回はさらに一歩進んで「応募条件」に「縁故」を条件としていることで、厚生労働省が事実関係を調査すると重い腰を挙げる事態になっています。

読売新聞の記事では「事実上の縁故採用とも取られかねない告知方法」とありますが、「取られかねない」のではなく、明確に「縁故」を最低条件とする採用を明言しているのです。

FNNのテレビニュースで、岩波の採用担当者は「あくまでも応募の際の条件であり、筆記試験、面接試験を行って採用を決めています。入社に強い希望をお持ちの方には、門戸は開かれていると考えています」と主張しているようですが、「入社に強い希望をお持ちの方」でも、紹介がなければ入社試験を受けることすら出来ません。

このことをもって機会均等の原則に反するので問題だとする主張が出てきているわけですが、あらゆる企業が社員募集において採用条件を付けている時点で「機会均等」とはいえないので、その点は批判として的を得ているとはいえません。

では、何が問題かというと応募条件・採用条件の内容です。

先のFNNの取材に対して岩波書店の人事担当者は「採用予定人数が極めて少ないため、エントリー数との大きな隔たりを少しでも少なくするためです」と言っていますが、これは言葉を変えて言うと「採用予定人数に合わせて応募者を減らす」ということで、その真意は「そんなにたくさん応募されても人事が大変なだけだから、応募者が減るようにこのような条件を付けた」ということです。

つまり、人事の採用選考の負担軽減が大前提で、会社にとってどのような人財を欲しているのかは2の次になっているのです。

毎日新聞の記事には、「毎年採用は若干名なのに対し、応募は1000人に及ぶこともある。現在は、結果的に落とすための試験になっており、できるだけそれを避けるため」とありますが、落とすためだけの試験になっているのを避けるための方法としては非常に安易といわざるを得ません。

採用条件を付けること、それ自体は当然のことであって批判されるべきものではありません。批判されるべきなのは、その安易さなのです。

それに、これまでにも同様の基準で採用選考を行ってきて、いまこの時期に応募要項に明示してきたということは、応募者の足きり基準を明確化して人事の負担軽減を意図してのことと考えることが出来ます。

人事がもっとも労力を費やすべき、将来会社を担う重要な戦力を選定する方法を簡略化して楽をしようと考えているところが大問題だと私は思います。

それに、紹介をしてもらったということで著者に対して引け目を感じ、強く言うことが出来なくなったり、社内における派閥形成に利用されたりと著者と社員・社員間の関係における弊害も当然考えられるわけで、その点をまったく考慮していないというところがまた問題だったりします。

採用選考は、どのような人財が必要かを前提に採用基準・方法を考えるべきであり、人事はそのための労力を惜しむべきではありません。

それとも、岩波書店は「コネ」がある、またはコネをつくることに長けている人を会社にとってもっとも有能な人財の最低条件だと考えているのでしょうか?
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by mmwsp03f | 2012-02-05 09:45 | 社会問題一般
光学系メーカーとして名高いキヤノン(正式な表記は「キャノン」ではない)が、2012年度入社の新卒事務採用(夏期)説明会で、在籍校別の予約受付をインターネット上で行っていたことが、大きな話題になっています。

【キヤノンの新卒事務採用説明会のWeb予約画面(部分)】

【関連情報】
露骨な学歴差別なのか キヤノンの大学別新卒説明会(J-castニュース)

何が話題になっているかは、新卒事務採用説明会のWeb予約画面(部分)をご覧になればお分かりかと思いますが、あえて言えばキヤノンが露骨なまでに学歴差別を前面に打ち出しているかのような採用説明会を行おうとしていることが大きな話題になっているのです。

記事によると否定的な意見ばかりではなく、肯定的な意見もあるようです。
画面を見たネットユーザーからは、「学歴フィルター露骨すぎるwww」「学歴差別は当たり前だが、こういう露骨なことしたらイメージダウンひどいだろ」などの声が上がっている。「なんで千葉大や筑波大がないんだ」といった自分の大学名がない学生からの不満も出ている。

その一方で、大学別に選抜することは当たり前で、「自分が対象じゃないことが分かるし、こっちのほうが親切だ」「学歴差別を隠している企業に比べたら好感を持てる」といった意見もある。
だけど、「親切だ」「好感が持てる」って意見って、何かおかしくないですかね?

このような方法は親切でもなんでもなく、ただ単に人事がいくらかでも面倒を省いて楽をしたいからというのが本音のような気がしますし、学歴差別をすること自体が問題なのに、隠していないから良いというのはどう考えても奇妙な考え方であろうと思います。

でまあ、キヤノン側の弁明自体もおかしなことだらけです。

「これはあくまで『説明会』であり、『選考会』ではない」とか言っているそうですが、説明会が入社選抜の第1関門だというのはずいぶん昔から就職活動の常識となっているので誰もこんなこと信じませんし、キヤノン側も当初からそのつもりであったことは明白です。

なぜなら、単なる説明会で選考会ではないのであれば大学別に説明会などを開催する必要性は全くないからです。
大学別説明会をするということは、その大学の学生をターゲットにしているということを明確に示しています。

しかも、指定大学以外のフリー枠が少ないことから、その他の大学の就活生の予約を制限しようという意図が明明白白です(上掲の予約画面を見る限り2枠しかありません)。

「できるだけ多くの学生に参加していただきたい」のであれば、なぜこのような特定大学を優遇する説明会を開くのか?

「学歴なんてどうでもいいというのが社の方針」なのであれば、なぜ大学を指定して説明会を開くのか?

まったく説明になっていません!!

「ネットの反応は予想外」とのコメントも、本当にキヤノンの人事は世の中のことがわかっているのか?と言いたくなる杜撰な回答です。

こんなコメントをしている企業の人事が、就活生と面接して「あなたの言うことには説得力がない」とか言ったりしているのかと思うと滑稽です。
まずもって言動不一致なことは、いわゆる社会人としては非常に問題ですし、会社の顔となるべき人事として「誤解を招く」ような表現・行動を取らないように気をつけるべきなのは当然の常識です。

そのような常識を兼ね備えていない人事が、就活生に常識を語るのはさらに滑稽であるといわざるを得ません。

以前から私が主張している「最も教育が必要なのは人事担当者である」という命題が、この事件によって裏付けられたかのような印象を抱いています。
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by mmwsp03f | 2011-07-24 01:14 | 社会問題一般

言うべきときには言う

10月1日より,大手人材会社が就活サイトをオープンするのを契機に,企業の採用活動が本格化します。

【主要な就活サイト】
学生のための就職情報サイト・リクナビ2011(リクルート)
[en]学生の就職情報2011(エンジャパン)
日経就職Navi2011(日経ヒューマンリソース)
学生のための就職情報サイト・マイナビ2011(毎日コミュニケーションズ)

(注)主要各社の就活サイトでの企業情報・採用情報は,会員登録をしないと閲覧できません。


それまでは水面下で進められていた学生の就職活動が,大手を振ってできるようになったわけです。
学生の皆さんは,これから会社説明会,適性試験,面接とさらに忙しくなるわけですが,このような就活を通じてさまざまな経験をされることと思います。
そして,理不尽なことも数多く経験されることと思います。

私も就活を通じて理不尽な経験をしたことが数多くあります。

大学の就職指導課に来ていた求人の一つに,小さな資格関連書籍を出版している会社があったので,そこを応募した際の話。
事前にアポイントをとって指定された時間に先方を訪問したのですが,担当者が不在であるとのことで待たされることになりました。
10分前には会社について,そのまま約束の時間になったら現れるのだろうと思って待っていたのですが,ぜんぜん現れる気配がない。
結局,それから30分待ちましたが一向に現れず,その間何の連絡もなし。

正直,約束の時間に担当者から伝言も連絡もないという時点で面接を受ける気が失せていました(当然,入社希望を持つまでもありません)。

帰宅後に担当者から電話があり,形式的な謝罪の言葉の後に再度面接の申し入れがあったのですが私はそれを断りました。
その際に,このようなことを言われました。

「まあ,うちの会社のような小さな会社はあまり関心ないのかもしれないけども・・・」

別に私は有名か無名か,大きい小さいなどにこだわって就職活動をしていたわけではなかったので,よっぽど先方の非常識を指摘してやろうかと思いましたが,同じ大学の他の人たちの就活に不利になるかもしれないと余計なことを考え,言いたいことを抑えてしまいました。

これは今になって考えてみると,例え相手が激怒したところで主張の正当性はこちらにあるわけですし,本当に余計な配慮だったと反省しております。
自ら指定した時間に現れないどころか,伝言もなく相手を待たせても平気でいる会社には,よほど執着がない限り二度と受けようという気にならないということを指摘してあげたほうが,その担当者のためだったと思います。

日本人の多くは,就職に不利になるとか,自分の相手に与えるイメージが悪くなるとか,いろいろと余計なことを考えて,言いたいこと,言うべきことを抑えてしまう傾向があります。
特に,ここに就職したいと考えている会社であれば,その一言が不採用に結びつくことを恐れて理不尽な扱いを受けても口をつぐんでしまいます。

別の場面で,このようなことがありました。
とあるシンクタンク兼経営教育研究機関の面接に行った時のこと。

私は大学で学生オケに参加していたのですが,そのことが面接で話題になった際,
「どうせ下手なんだろ」
という発言が面接担当者の口から飛び出してきました。

それまでにも圧迫面接と思しき受け答えがあったのですが,さすがにこの発言は聞き捨てならないと思いました。
自分で聴いたわけでもなく,単なる憶測で相手を傷つける発言を平気でする悪意を感じたわけです。
しかし,その時も「ええ」「まあ」というようなあいまいな発言でお茶を濁してしまい,非常に後悔することになりました。

相手が自分より下であるという意識から発せられる無神経な発言。
しかし,相手に非があったとしても不採用を恐れてつぐんでしまう口・・・・・・。

やはり採用面接の場面でも「言うべきことは言う」というスタンスは必要だと思います。
口をつぐんだところで,結果が不採用であれば同じことです。
それよりも,相手の不適切な発言を明らかにし,その思うところをはっきりと伝えた方が精神衛生上は良いのではないかと思ったりしています。

まあ,自己満足であると思われる方もいらっしゃるとは思いますが,やはり相手の非はキッチリ自覚していただく必要があります。
もし採用されたとしても,そのような人間のいる職場で働かなくてはならなくなるわけですから,ガマンすればするほどストレスは溜り,精神的にまいってしまうことになります。
それに,そういう人間は社内の人間関係を壊乱し,果ては顧客との関係を悪化させる元です。

我々の側が理不尽なクレームをつけるのは問題ですが,企業側からの理不尽な対応には毅然と立ち向かう必要があると,私は考えています。

企業にとって就活生はあくまでお客様です。
どのような理屈をつけようが,これは厳然とした事実です。
客を客として扱わない企業には,それを知らしめることも必要です。

現在,リクナビが「7つの約束」を提起して,これからの就職環境の改善のため努力することを表明していますが,このように人材紹介会社や企業側が悪しき就職慣例を改善してくれるのを待つだけではなく,就活生自らが改革のために行動することが必要だと思います。

結局,就活生が状況を甘んじて受け入れてれば,旧態依然とした就職慣例は改善されないままです。
今このとき,就職活動の当事者である人たちが,現状打開のために行動することが肝心です。

改革への小さな一歩ですが,「言うべきときに言う」(就活生が自らの意思を表明する)ということは重要な一歩でもあります。
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by mmwsp03f | 2010-10-06 10:32 | 労働問題
脳科学者の茂木健一郎さんが8月25日にツィッター上で行った提案を受けて,本日(9月28日)にリクルート社が,下記のようなツィートを公表しました。
@kenichiromogi はじめましてリクナビ編集部です。新卒採用に携わるスタンスを「7つの約束」としてまとめました。茂木先生が8/25に発信された「リクルートの方々へ」の返答になるかと思いご報告させて頂きます。http://bit.ly/9jWKFN #7yakusoku

上記の「7つの約束」の内容は以下の通り。
【7つの約束】(リクナビ)→トップページ

約束1 入社後の活躍を期待できる出会いを創造します。
約束2 若い人たちが働く機会の拡大、ミスマッチの解消に努めます。
約束3 学業と両立できる就職活動を実現します。
約束4 就職活動にかかる学生の負担を軽減します。
約束5 将来を考える学生に、オープンな機会を提供します。
約束6 産業界が求める人材像を明らかにし、学生、大学に発信します。
約束7 国を越えた就職・採用活動を促進します。

「トップページ」からさらにいくつもリンクが分かれていて,階層もちょっと深いので一通り閲覧するのは一苦労。
なので,全部を見ているわけではありませんがちょっと拝見したところ,これまでの取り組みとどこが違うかわからないところや,具体的な施策・ビジョンが明らかではないものなどがあって,「とにかく考えてみました感」が濃厚な内容ですが,それでも外部の提案を受けて改革への一歩に向けて踏み出しているというのは高く評価できるのではないかと思います。

実はリクルート社への提言の前に,茂木さんはかなり激烈な新卒採用批判を行っていたりします。
その内容については,下記をごらんあれ。

【茂木健一郎 クオリア日記】
連続ツイート 判断(2010/09/10)

茂木さんはこのツィートにおいて,企業の人事担当者が応募者の本質を見極めようとせずに「新卒か既卒か、年齢は何歳か、出身大学はどこかといった定型的、外形的な基準」に頼って採否を判断していることを強く批判しています。

それ以前にも,新卒一括採用の理不尽さに対する怒りのツィートなどもあったりして,かなりこの問題については腹を立てておられる模様。

現に,私がこのブログでも指摘してきましたが,人事担当者は「有能な人材」がほしいと口をそろえて言いますが,その「有能な人材」が何なのかは解っておらず,WebテストやらSPIの成績がよければ「優秀・有能」という杓子定規な基準で判断しているという安易さが見られます。

第一,SPIとかWebテストとかは事務処理の正確さとか単純作業の早さとかそんなことは解っても,クリエイティブな仕事や高度な判断を要求されるような仕事に向いているかどうかなんていうのは,はっきりいってわかりません。
それでも,十把ひとからげに同じことをやらせ,面接でも皆に同じ質問と受け答えを要求し,それで「個性的な人材」などというわけです。

こういったところが,「自らの『判断』を行う能力も、意志も持たない」と茂木さんが批判される所以でしょう。

リクルート社が,これまでの就職慣例を改革すると明言したことは大きな一歩だと思います。
ただし,「7つの約束」という声明はまだまだ改善の余地があり,今後広くさまざまな人々の意見を取り入れながらブラッシュアップしていくことになるだろうと思います。

それよりも問題なのは採用する企業側であり,企業側の意識改革を如何に進めていくかにかかっています。

未だに多くの企業では,自らの行動が全体社会にどのような影響を与えるかということを俯瞰できない経営者,人事担当者が意思決定を行っています。
彼らを退陣させるか,意識改革を実現しなければ,現在の経済状況は好転しないものと私は考えます。

ミクロな視点からだけでは自社が置かれている状況は見えてきません。
目先の損益ばかりにとらわれずにマクロな視点を持つことが,企業経営者,人事担当者に求められているものだということを自覚させられるかが最大のポイントだと思います。

リクルート社を筆頭とする人材ビジネス業界が,どれだけ企業の意識改革に成功することができるか,今後の取り組みに要注目です。

【関連情報】
7つの約束 on Twitter(リクナビ)
「就活時期」をもっと遅く! 大手商社の動き広がるか(J-castニュース:2010/9/23 09:00)
高祖先生、学術会議提言の意味を説く(EU労働法政策雑記帳)




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by mmwsp03f | 2010-09-28 12:31 | 労働問題

採用選考の悪弊

就職活動をしていく中で,多数の企業の応募したことある方であれば一度は経験したことがあるだろう圧迫面接。

圧迫面接ってイヤですよね。

現在は行われているかどうかはわかりませんが,過去に全否定面接というものを実施していた企業があったそうです。
私自身は,さすがに全否定面接というものを経験したことはないのですが,以前勤めていた会社の同僚から,旅行会社(旅行代理店)の中には全否定面接を行っていたところがあるということを聞いたことがあります。

全否定面接とは,応募者の回答に対して面接担当者がことごとく否定的な返答を繰り返すというもの。
よくあるのが,志望動機を聞いたあとに行われるこのようなやり取り。

応募者:御社の○○に惹かれまして,応募させていただきました。
面接担当:本当に,それが志望動機なの?
応募者:はい。私は△△の部署で実施しているプロジェクトに関心を持って,自分もその一員に加わりたいと考えております。
面接担当:まー,うちは,希望する部署に配属することはまずないと思うけど,それでもいいの?
応募者:それでも,希望の部署で働けるように他部署でがんばっていきたいと思います。
面接担当:ずいぶんな模範解答だけど,ほんとうにそんなこと思っているの?
応募者:はい。
面接担当:ふーん。だけど希望しない部署でがんばっていたら,その部署が手放したくないって希望する部署にいけない可能性もあるけど,それでもいいの?
応募者:それは……。それでも御社で認められるようにがんばりたいと……。
面接担当:さっきから,がんばりたい,がんばりたいって言ってるけど,がんばるだけじゃあ業績上がらないんだよね。
あなたはどうがんばって,うちの会社に貢献してくれるっていうの?
・・・・・・

とまあ,こんな感じ。
これでも,まだいいほう。
過去には応募者の人格を否定するような面接も行われていました。

さて話は戻りますが,その同僚は旅行業務取扱主任者(現在の旅行業務取扱管理者)の資格試験の指導を行っていたのですが,それと同時に旅行業界への就職指導もあわせて行っていました。
この就職指導の際に,実際にそのような場面に遭遇した場合に耐性をつけていたほうがよいということから,全否定面接対策というものもやっていたとのことです。

旅行業界は就職先として人気が高いのですが,いかんせん客からのクレームも多い業界であります。
そこで,クレームに対応することができる人物であるかどうかを見定めるために,このような面接方法を採っているらしいですね。

しかしこの圧迫面接,本当に応募者の適性や能力を図ることができる面接手法なのでしょうか?

結論から申し上げれば否。
ぜんぜんだめだめです。

応募者が神経図太いかどうかはわかっても,その人の仕事に対する姿勢や能力を測ることはできません。
なぜなら,圧迫面接はネガティブな受け答えをすることによって相手を追い詰めるだけであって,その人の仕事への姿勢を掘り下げて見ていくことができません。
また,応募者は自分の回答が否定されることによって,それから先に話を発展させることができなくなり,沈黙してしまうことになります。
手詰まり状態に追い詰められて,どうやって自己PRができるのでしょうか?

つまり圧迫面接は,面接担当者が相手を見極める術を自ら奪っていくという面接手法なのです。
そして,まったく非合理的であるだけでなく本来の目的自体を達成できない面接手法なのです。


だいたい,相手が答えに詰まってしまったらその時点で終わりです。
面接というものは,相手に自分をアピールする機会を与え,そこから人物を見極める材料を得ることを目的としています。
ところが,相手を答えられなくすることで,見極める材料が手に入ることがなくなってしまい,面接本来の目的である相手を知る機会を自ら奪い続けていくことになるのです。

面接相手とのやり取りの中で,相手の主張の欠点をツッコんで否定的な返答になってしまう分にはしょうがないことです。
この場合は,相手を追い込むことを前提としている圧迫面接とはまったく違います。
その点は誤解のないように。

いずれにせよ,未だに圧迫面接をスタンダードな面接手法として取り入れているような企業は,自社が求める人財をみすみす逃す愚を犯しているだけではなく,対応の悪い企業として自社の評価を失墜させ,客からも見放されるという何重もの愚を犯すことになっているのです。
結局は,自社のモラルの欠如(モラルハザード)を露呈する,いわば恥さらしになっているのだということを自覚すべきです。

それでも続けるというのであればご自由に。
結局,そのような企業には有能な人財は集まってきませんし,いたとしてもすぐリタイヤしていくでしょうから。

最後に,この記事をご覧になっている方で就職活動を行っている方へ。

もし圧迫面接の場面に遭遇してしまった場合,まずは落ち着いて相手の言い分をよく聞いてください。
大抵の圧迫面接は,応募者の発言に対する否定的な返しをしてきます。
この否定的な返しは,なにも確証があっていっているわけではありません。
ですから,自分の発言に自信があるのだったら,逆にそれを否定する根拠を求めるべきです。

意外な返しに面接担当者が答えに詰まるようであれば,それはそれで痛快ではないでしょうか?
不採用になるかもしれないからと恐れる必要はありません。
理不尽な圧迫面接を行う場合は,最初から採用するつもりはありません。

ただし,感情的なやり取りにならないようにご注意を!

自社の発展・向上を真剣に考え,そのために必要となる有能な人財を見つけたいという企業は,圧迫面接のような愚かな手法はとりません。
エキサイトニュースに掲載されているように,「圧迫面接に屈することなく、会社を見極めるよいポイントと前向きに判断してはいかがでしょうか」。

理不尽な対応には,大人な対応が意外と相手に対するダメージが大きいものです。

エキサイトニュースの記事にあるように,「これは面接ではありませんので、退席します。書類をこの場で返却してください」と要求して,実際にその場を退出するぐらいのことは,充分許される対応です。

その際には,相手からの悪口雑言には耳を貸さず,感情的な応酬にならないようにご注意を!

【関連情報】
圧迫面接…怖くて答えに詰まります(エキサイトニュース)
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by mmwsp03f | 2010-09-13 10:50 | 労働問題

根拠のない就職常識

リクナビやリクナビNEXTは,就職・転職希望者向けの情報サイトとして利用されている方も多いと思いますが,こういう転職情報サイトというのは,同じようなテーマの特集を何度も何度も取り上げては,「転職を希望する皆さん気をつけましょう」というように,転職の慣例・常識を伝授しています。

【関連情報】
リクナビNEXT(リクルート株式会社)

何度も同じ特集を掲載するというのは,同じような間違いをしてしまって転職に失敗してしまう人が多いということを示しているわけですが,実はそれだけではありません。
就職・転職活動の慣例・常識を浸透させるという意図もあったりします。
つまり,就職の常識・慣例の啓蒙です。

これはいうなれば,採用する側の都合に就職・転職希望者を合わせようという意図で行われているものです。
実際に就職・転職サイトを利用した人であればよくお分かりだと思いますが,すべて企業サイドの目線からアドバイスされています。

まあ,採用する側の意向が就職サイトに反映されるのはある程度仕方がないことではありますが,皆一様に同じようなことをせよと言っているのにもかかわらず,企業は「個性的な人材」を求めているといわれても正直説得力がありません。

それにもかかわらず,結局は個性的ではない就職情報メディアのアドバイスにしたがう就職の常識や慣例にならうマニュアル化された就職活動を行うようになります。

何故そうなるのか?

就職・転職活動をしている皆さんにはよくお分かりだと思いますが,それが最も無難だからです。

無難だから就職の常識・慣例に倣うというのは,何も就職・転職希望者だけに限りません。
実は,採用する側もそのような考え方で採用活動を行っていたりします。
それを如実に示しているのが,判を押したように毎年繰り返されるSPIなどを利用した筆記試験。

だいたい,その人の仕事への取り組み方とか,仕事の出来の良し悪しが筆記試験でわかるわけがないのですが,たくさんの応募者を短期間でふるいにかけなければならないという手間の問題と,とりあえず多くの企業が採用しているからという日本的な馴れ合いの論理から,とりあえず筆記試験をやれば,優秀・有能な人材を絞り込めるという思い込んでいるように思えます。

最近の新卒向けの採用選考では,Webテストなるものを実施して会社説明会の段階で参加者を規制しているようです。
このWebテストは,(ネットに接続できる環境下にある)自宅で事前に選考試験を受けるというもので,1問ごとに数秒から数十秒程度の時間制限が設けられていて,制限時間内に解答できなければ強制的終了させられ,次の問題へ進むようになっているそうです。
後で解けなかった問題に戻ることも出来なければ,前の問題を見直すこともできません(自宅受験の際のカンニング対策のようです)。

Webテストを実施しているのには,採用選考にかかるコストを削減するという意図があるようですが,これから自社の利益に貢献してくれる人財を発掘するのに手間と金を削るという感覚はどうかと思うんですけどね。

試験のことはさておいて,リクナビNEXTでよく掲載されている転職成功術の特集の中には,まさに転職の常識・慣例がてんこ盛りです。

【関連情報】
6つの転職マナー違反でわかる転職に成功する人・しない人(リクナビNEXT=リクルート株式会社)

まあ,かなり転職に失敗してしまう人たちに問題ありの例が多いのですが,中にはある事例について採用担当者側の不採用理由にこんなものがありました。

修正液を使った履歴書は、やはり失礼だと思う。それが気にならない人とは価値観も合わないだろうし、その書類を受け取った時点で不採用を決めている。(54歳/男性/岡山県)

これは,他社に送った履歴書を修正液で修正して提出する「履歴書の使いまわし」に対する回答として掲載されていたもの。
普通,そんなことするヤツは落とされて当然と皆思うでしょうが,よく見てみると「履歴書の使いまわし」に対する回答とはちょっと違う。
どうやら,修正液を使った履歴書の修正一般に対する批判の模様。

そこで私はツッコミを入れてみたりするのですが,「修正液を使った履歴書は、やはり失礼だと思う」の根拠は?
なぜ「失礼」だと思うの?

例えばですよ,たった一文字間違えただけで苦労して書いた履歴書がおじゃんになるわけですよ。
内容にはまったく問題なくとも,その一字を間違ってしまっただけで,すべて書き直しになるのです。
書き見本を見ながらであっても,間違えるときは間違える。

当然,修正液だらけの履歴書など問題外ですが,ほんの1箇所間違えたので修正液使いましたというだけでこの扱い。
しかも「失礼」の理由付けがはっきりしない。

中には,パソコンでプリントアウトした履歴書は楽をしているからダメとか,他社で使ったやつのコピーなんじゃないかとか邪推している人がいたりするのですが,これもナンセンス。

仕事の上では効率性を求めているクセして,就職活動ではなぜ非効率を求めるのか理解に苦しむところです。
「他社で使ったやつのコピー」とかいう批判も,志望動機以外は全部書くこと同じなんだから手書きだろうが,プリントアウトだろうが内容はコピーしたもんだから関係ないだろうと思うわけです。

修正液を使うのが「失礼」だというのも,プリントアウトした履歴書がダメだというのも,これまでの就職慣例によって刷り込まれた根拠のない常識で,それ自体合理的な理由があるわけではありません。
つまり,古い慣例に縛られた情緒的反応とでも言うべきものであるといえます。

日本の人事・採用活動は旧態依然としているという批判は各方面から提起されているのですが,このような些細なところからも,相変わらず古い考え方に縛られていることがわかります。

Web上から履歴情報をエントリーさせておきながら,改めて履歴書や職務経歴書を提出させるという訳のわからない応募方法を実施しているところがありますが,これも旧態依然とした採用慣例の名残といえるでしょう。

妙な思い込みに支配された常識・慣例は,有能な人財発掘の障害になるだけでしかありません。
本当に必要なのは瑣末なことにこだわることでも,右へならえで同じような採用慣例を貫徹することでもありません。

しっかりと自社が必要な人財像を描き出し,必要な人財を確保するための採用方法を独自の視点から見つけ出そうとする努力が必要です
楽して応募者をふるい落とし,古い慣例にならった色眼鏡で本当に有能な人財が手に入ると考えるのは,非常に浅薄な思考であるといえるでしょう。
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by mmwsp03f | 2010-09-07 10:57 | 労働問題
新卒者採用が低迷しているということで社会問題化していますが,それに対して日本学術会議が既卒でも卒業後数年は新卒と同じ扱いにしてはどうかという提言を発表しています。

【関連情報】
大学生の就職難深刻、学業に影響…両立へ日本学術会議緊急提言(YOMIURI ONLINE:2010年8月16日)
「意義の乏しい選び合い」改革必要…日本学術会議提言(YOMIURI ONLINE:2010年8月16日)

日本学術会議という学術研究の代表機関がこのような提言を行うということは,かなりな異常な事態なのですが,そのことを企業や就職活動を行っている当人たちはどのように考えているのでしょうか?

読売新聞の記事によれば,この提言を受けて文科省では「業界の協力も得て、提言を現状改善につなげる考え」とのこと。
ただし,文科省のこれまでの教育政策を見る限りにおいては,残念ながら有効な施策を打ち立てることは期待できそうにありません。

それに大学や専門学校などの教育機関サイドが現状改善を図ったところで,経済界がそれに応えなければ結局は「画餅に帰す」ということになりかねません。

要するに,就職活動におけるイニシアチブは依然企業側にあり,彼らの思惑如何で「就職問題」の今後が左右されることには変わりありません。

これまでに新卒の就職をめぐるルールは,都度経団連によって作成され,加盟企業へ提言されてきましたが,そのルールを無視して勝手な採用活動を行ってきた企業が大手でも少なからず存在しました。
結局,法的拘束力のないものを遵守する必要はないという考え方なのでしょうが,そのようなモラリティの欠如が現在問題視されていることも併せて無視されているようです。

さて,ここで問題となるのは,なぜ企業は新卒採用にこだわるのか?という点です。
ぜひともさまざまな企業の意見を伺いたいものですが,新卒と既卒1~2年程度の人にどの程度の
差があるとお考えなのでしょうか?

多くの就職活動をしている学生やその親御さんにとってみれば,ただ単に就職活動で不利にならないようにするために,する必要もない留年をしなければならないのは納得できないでしょう。
それに既卒だからといって,就職浪人1年目で就業経験者と同じ土俵に上らなければならなくなる中途採用でしか応募できないというのはどう考えても理不尽です。

当然のことながら就業経験がほとんどないわけですから,経験者募集に応募したところで歯牙にかけられるわけもありません。 

日本企業の採用活動は旧態依然としているという批判は,さまざまなところで起こってきています。
それなのにもかかわらず,どうしてそのような批判が起こってくるのか,多くの企業で自社または業界における採用活動の慣例にどのような問題があるのかを分析し,改善しようという意気が感じられないのが現状です。

企業にとって必要な人の条件は,「新卒」であることではないはずです。

自らのスキルを磨き,それを仕事に生かしていこうと取り組む姿勢をもつ人こそが必要なのではないでしょうか?

「新卒」で就職にあぶれてしまった人を無能力者のように考える風潮があるようですが,そのような考え方はナンセンスです。
彼らはたまたま「新卒」で就職できなかったのであり,運よく就職できた人とどの程度差があるかは全く不明であるといえます。

運よく就職できた人の中には,とりあえず与えられた仕事をこなすだけでよいと考える人もいるでしょうし,期待していたほど仕事に取り組もうとしない人もいるはずです。
ひょっとしたら「既卒」の中には彼ら以上にスキルを磨いてよい仕事をしてくれる人がいるかもしれない。

「新卒」にこだわる採用活動は,そのような人財を発掘する機会をむざむざ逃してしまうことになるかもしれません。
自らに手かせ足かせを嵌めることになるような採用活動は放棄したほうがよいでしょう。

いいかげん,わざわざマーケットを狭める手法は自らが損をするということに気づくべきではないでしょうか。

【関連情報】
日本学術会議公式サイト
文部科学省ホームページ
社団法人 日本経済団体連合会
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by mmwsp03f | 2010-08-17 10:35 | 労働問題

杜撰な採用活動のツケ

現在,GIGAZINEというブログメディアが社員募集をしているそうです。
ある意味「人材不足」による募集ということですが,人手が不足しているわけではなく,記者・編集者としての資質に問題のある社員がいるため,新たに社員を募集して体勢を立て直したいということのようです。

【関連情報】
人気ブログメディア『GIGAZINE』が涙の人材募集「金の分しか働かない働きたくない面倒くさい書きたくない」【ネットコラム - エキサイトニュース】
【求人募集】GIGAZINEのために働いてくれる記者・編集を募集します

求人募集の冒頭には長々と「募集に至る経緯」というものが記されているのですが,愚痴のオンパレード。

「手が足りないのにもかかわらず、人を雇えば雇うほど私の負担が増していき、ほかの編集部員の給料を出すために月給も何もかも私が一番低いワーキングプア状態で、もう心身共に限界に達して倒れかけました」というような,同情を誘うことを意図した記述まで見られます。

さて,この記事ならびに求人募集を見て思ったことですが,GIGAZINEの編集長は見事なまでの勘違いをしています。

>GIGAZINEで働きたかったわけではなく、どこでも金さえもらえれば良かった、そういう人材を私は雇ってしまったのです。これが大きな間違いでした。
>怒られないとこちらの言うことを聞かないというのは、かなり低次元かつ低レベルで幼稚なことだと私は思うのですが、そういう社員ばかりを雇ってしまった私にも確かに責任があります。

というような言辞は見られるのですが,「雇ってしまった」ことを悔やんでいるだけで,どのような戦略的展開を考えているのかがまったく記されていません。

ただ単に,ニュースサイトの仕事は他の仕事とは違うとか,自分と同じ志を持った人に来てほしいということを主張するばかりで,これまでの採用方法,人材育成の手法についての反省が見られません。

「募集に至る経緯」見る限りでは,問題社員は最初から問題行動をとっていたわけではなく,編集長の組織運営の失敗によって問題行動を起こすようになっていったようです。
そのことがわかっているのにも関わらず体制を立て直すよりも以前に,自分に都合の良い人材を補充することでその場を凌ごうという安易な発想が見られます。

そんなことをやっているようでは,また同じ失敗の繰り返しになるであろうことは容易に想像がつくと思います。

今回の求人募集の課題は,記者・編集者としての基本的なスキルを見抜くことなわけですが,「『価値観』の一致と不一致を今回は最重要視」といっているところから,ひょっとしてそのことが判っていないんじゃないかと思ったりもします。

>GIGAZINEで働くという事は、普通の雇用主と労働者の関係とはまったく違うのです。「ニュースサイトで記事を書くというのは、普通の労働とは絶対に違うのだ!」ということを事前にちゃんと理解していただきたいのです

という記述を見ても,あー判ってないなと思うわけです。
編集長におかれましては,労働契約法と労働基準法をスミからスミまで熟読されることを推奨します。
まあ,意識の問題を語っておられるのでしょうが,これって明らかに「GIGAZINEはコンプライアンスを無視します」と宣言しているのと同じなのですが,よほど腹に据えかねたのか,正常な判断ができない状態になっているようです。

それから「普通の労働とは絶対に違うのだ!」ということを強調されていますが,これはある意味職業差別に通じる考え方だったりします。
自分がなすべき仕事はなんであれ,自分の責任で全うするというのが労働のあるべき姿です。
GIGAZINEの仕事だけが特別なのではなく,仕事とはすべからく責任を持って取り組まなければならないものなのです。
それをちゃんと部下に教えてこなかったことが今回の問題の要因であり,社員の問題行動を助長させていることにつながっているはずなんですが…。


当然のことながら,求人についての要件が最後に付されているのですが,皆さんはこれを見てどう思われますか?

◆募集期間
8月2日(月)~8月9日(月)23時59分まで

◆募集職種
記者・編集

◆勤務地
大阪府大阪市

◆仕事内容
ニュースサイト「GIGAZINE」(http://gigazine.net/)の記事作成・編集

◆給与
応相談

◆勤務時間
応相談

◆勤務形態
応相談

◆応募資格
前歴・職歴・学歴・年齢・性別は就労できるのであれば一切問いません


私がこれを見た感想。
まじめに採用する気があるのか?

採用条件というのは,就職活動をしている側にとっては,応募するかどうか,あるいは入社するかどうかを判断する基本的な材料となります。
それを「応相談」で済ませていることから,明確な採用計画自体が存在しないのではないかと思えるわけです。

しかも,「給与」「勤務時間」「勤務形態」をぼかしているところから,かなりキツイ条件で採用しようと考えていることも匂わせています(「募集に至る経緯」の内容を見ても,キツイ条件で採用しようと考えていることがわかります)。

しかも,仕事内容についてもニュースサイトの「記事作成・編集」だけであって,具体的なことは何も記されていません。
ただ理念を語るだけでは,誰もついてきません。
あくまでGIGAZINEはビジネスであり,好きなことをするのだから労働条件は二の次だという発想では,長続きしません。
すべからくビジネス(経済)というものは,報酬の交換によって成り立っているものです(社会的交換理論)。
実績に見合った報酬を明示せずにGIGAZINEというビジネスに参加せよというのは虫の良すぎる話でしかありませんし,それを無視してビジネスを語ることは滑稽でしかありません。

ビジネスとしてのGIGAZINEに参加することによって,社員にはどのようなメリットがあるのですか?
自分たちのメリットだけを語って,誰かがついてくるとお考えですか?

経営戦略の見えないビジネスに有能な人材が集まることはほとんどありません。
愚痴を言う前に,明確な人事戦略と事業計画を立案し,場当たり的な採用活動ではなくビジネスの基本スキルを見分ける採用方法を確立することが,先決だと思いますが…。
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by mmwsp03f | 2010-08-02 21:49 | 労働問題