まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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カテゴリ:経営・経済事情( 8 )

予算と組織の一般的傾向

このブログの過去の記事を読み返してみたのですが、そこで「予算」について言及したところを改めて読んでみて少々思うところがあったので、ツィッターでつぶやいてみました。

それが下記の枠内の記述(ちなみに、ハッシュタグは省略)

予算先行主義の弊害(その1)。あらかじめ決められた予算額を前提とすると、達成目標が予算額に拘束されるため、その範囲内でしか企画を立てられなくなる。つまり、最初から可能性の範囲を狭めてしまうため、より効果的な施策を講じることが非常に難しくなる。

予算先行主義の弊害(その2)。商品企画にしても事業企画にしても、予算範囲を確定せずに立案することでより効果的なアイデアを捻出ことができる。なぜならば、予算に拘束されない分、自由な発想で企画立案を行うことが可能だからである。

予算先行主義の弊害(その3)。もちろん自由な発想で企画を立案しても、実現可能性・対費用効果を考えた場合、ボツになるアイデアは出てくる。それは企画立案後に予算範囲を明らかにした後に精査していけばよい事である

予算先行主義の弊害(その4)。自由な発想の元で立案された企画には当然、自由な分、粗が目立つものである。しかし、それを予算と照らし合わせムダな部分やコストカットできる部分を精査することで、より質の高い企画へと発展させることができる。

予算先行主義の弊害(その5)。すでにある予算を前提として企画を立てた場合、予算に合わせて何をするかを決定するので、まずもって実現目標にあわせてムダな部分やコストカットできる部分を精査するということを避けるようになる。

予算先行主義の弊害(その6)。すなわち予算額を前提とすると、その金額にあわせてなんら工夫をするということがなく、あらかじめ限界が定められてしまうことになるため、実現目標の設定も必然的に低く抑えられるようになる。

予算先行主義の弊害(その7)。しかも、目標設定を低くすることにより余剰予算が生じることが多く、その余剰予算は大概、無駄な経費として費消されることになる(実は、現在の国や地方公共団体の予算システムの弊害はここにある)。

予算先行主義の弊害(その8)。確実な予算配分によって確実な事業成果を達成することを目指すあまり、予算先行主義を合理的な事業推進の方法と考える傾向が顕著だが、そこから得られる果実は実に少ないものと考えるべきである。

予算先行主義の弊害(その9)。そもそも事業計画は予算を費消することが目的ではなく、予算を活用して組織を効率よく運営することにある。予算の意義とは、「いくら必要」ということにあるのではなく、「どのように配分するか」ということにあると思う。

過去の経験をもとに考えてみても、大概何かやるときは、あらかじめ予算額が決まっていて、その範囲で仕事の目標を設定するということが、組織の常態となっています。

人間というものは、あらかじめ限界が設定されていると、その水準よりも低い目標を設定する傾向があります。

それは「確実を期す」という言葉で正当化されますが、実際には予算超過のリスクを回避するというよりも、自らが実現すべき目標水準を低く設定する言い訳となることが多分にあります。

「これだけの予算しかないから、これだけのことしかできません」という具合ですね。

そして達成目標を低く設定することによって、大抵の場合消化しきれない予算が生じることになります。そこでよく行われるのが、経費の無駄遣いです。
既存の業務と関連があるように見えて、実際には必要のない業務を創造することによって予算を消化するというように、あくまで当初、立案された計画との関連性を偽装する形で無駄遣いが行われるのです。

よくありますよね。年度末が近づいてくると増える道路補修工事なんかはその典型ですよね。

これは予算消化をしないと翌年度から当該予算が削減されるという「予算の単年度消化の原則」の悪弊だったりします。

こういった組織のムダを一般法則として提唱した古典的著作として有名なのが、行政学・経営学の分野で名著として知られている『パーキンソンの法則』という本です。
これはなかなかタメになる本なので、読んだことがないという方は是非とも読んでみてください。

パーキンソンの法則 (至誠堂選書)

C.N.パーキンソン / 至誠堂


ついでに、下記の本もおススメ。

ピーターの法則

ローレンス・J・ピーター / ダイヤモンド社


とりあえず今回は、限られた資源を有効に活用するためには予算先行で考えるのではなく目標設定を先行し、予算を適正に配分するように工夫をすべきではないかということを、企画立案の方法(いちおう組織運営の方法にも関わってきますが)という視点から考えてみました。
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by mmwsp03f | 2012-04-23 12:29 | 経営・経済事情
このほど,シャープがPC関連事業からの撤退を表明し,ハードウェアの製造販売で一歩後退することとなりました。

【関連情報】
シャープ パソコン撤退(テレビ東京=動画つき)
シャープ:パソコン事業撤退 昨年末、生産中止(毎日.jp:2010年10月22日)
シャープ、パソコン生産撤退=新型端末とコンテンツ配信を強化(ウォールストリートジャーナル:2010年10月22日4:10)

シャープというとノートPC「メビウス」で一世を風靡したことで知られていますが,そういえば最近家電量販店で「メビウス」などのシャープ製PCをお見かけしていなかったので,実質的なPC関連事業からの撤退の決定は,かなり前からなされていたのでしょうね。
毎日新聞の記事を見ても,PCの生産は昨年末に中止していたということですから,今回の報道は昨年におけるシャープの経営判断を再確認したというところなんでしょうね。

いずれにせよ今回のシャープの決断は,戦略的方向性の転換として一定の好評価を得られるのではないでしょうか。
PC関連事業にしがみついて多くの在庫と多額の負債を抱えるよりは,時代の移り変わりに対応して戦略の見直しを図るのは賢明だったと私は思います。

現在のPC市場の動向を見ても,ASUSTekの日本市場進出あたりから割高な国内メーカー製PCよりも,性能的には遜色なく安価な外国メーカー製のほうに需要が高まっています。
PC自体が以前の「高価な精密機械」というイメージを払拭して,家電製品的なイメージをもたれるようになってきたのも大きいと思います。

PCの償還サイクルも携帯電話並みに短くなっているという印象もあります。

少し前のネットブック流行によってPCを購入した人たちは,そろそろ新しいPCに買い換えようかと思い始めているころだと思います。
ネットブックの販売が急上昇していた2~3年前はE-MobileがPC購入金額負担(本当はPC代金は月額通信料に加算されているんですけどね)をうたって,自社の無線回線利用サービスの普及を促進していた時期にあたり,このころ契約した人たちがちょうど契約満了を迎えるので,それにあわせてPC買い替えを検討するようになったと考えられます。

こういう人たちが求めているのは,2~3年ぐらい持てばよいPCなので高性能で高価なPCではなく,そこそこ満足できる性能の安価なPCです。
まさに,携帯電話の機種変更と同じノリだったりします。

その需要にマッチしたPCを提供しているのが海外メーカー製PCで,そちらの方に需要が流れているということが,今回のシャープのPC事業撤退と密接に関連していると思います。

他社製品との差別化の問題についても言及していたようですが,確かにどのPCもあまり大きな差異が感じられないというはあると思います。
そういう中で,生き残っていくのは至難の業というのがシャープの判断だということです。

私の場合,以前から国内メーカー製PCにはさほど魅力を感じなかったので,これまでずっと海外メーカー製を使い続けてきました。
実は,国内メーカーはやたらと使いもしない余計なソフトをインストールして値を吊り上げていたりしたので,そういうところが気に入らなかったというところがあったというのもありますが…。

同じスペックのPCでも海外メーカーの方が圧倒的に安いですし,そっちへ流れるのは当然かと。

このような流れの中で,果たして国内家電メーカーによるPC市場確保は可能なのか?

次は富士通あたりがPCのハード部門撤退を表明しそうな予感。
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by mmwsp03f | 2010-10-22 10:21 | 経営・経済事情
毎日新聞の記事によると,今年の冬からファーストリテイリングが現大学3年生を対象に海外店舗にて就業体験を行うとのことです。

【関連情報】
【ユニクロ】学生に海外就業体験 20人選考、今冬から(毎日.jp:2010年10月14日 00時25分)

【記事の一部抜粋】
今夏、日本国内の本社や店舗などで実施したインターンシップの参加者約300人から成績優秀者を選抜する予定。ニューヨークとパリ、上海の店舗で1週間程度、販売実習などを行う。渡航費用や滞在費は会社が負担する。20人はすでに国内のインターンシップを10日間経験済みで、日当は会社側が払った。同社は12年3月から社内の公用語を英語にし、人事・報酬制度を世界で統一する方針で、グローバル化に対応できる人材確保を急いでいる。同社採用担当は「海外の実体験を経て、納得して入社することが個人と会社の成長につながる」としている。

ファーストリテイリングのニュースリリースを見ても,14日朝の時点では公表されていないので,毎日新聞のすっぱ抜き記事かなと思いますが,海外拠点での就業体験を行うというのは,あまり前例がない取り組みだとのこと。

記事をご覧いただいてもわかるように,渡航費用・現地滞在費等の就業体験にかかる費用は全額会社負担とのことで,人財確保に向けてのファストリの意気込みをうかがい知ることができます。

当然,これだけのコストを負担するわけですから,この選抜組20名は将来ファストリに入社してもらうつもりでいることは確かでしょう。
ただし選択権は学生側にあり,この海外就業体験に参加することでファストリに入社しなければならないということにはなりませんので,20名全員を確保するのは難しいとは思いますが・・・。

これまでインターンシップが就職において,どの程度有効に作用していたか効果が見えなかったのですが,ファストリがこのような取り組みを行うことで,インターンシップの効果が可視化されるのではという期待はあります。

しかし,このファストリの試みは,賛否両論,かなり論争を呼ぶのではないかと思います。
やり方次第では,新種の青田買いと受け取られかねないので,特に同業他社からの批判は覚悟しておいた方がよいのではないかと思います。

また,学生側からみて企業からのこのようなアプローチは,実際の就業体験を通じて自分の能力が認められるということで歓迎だとは思いますが,だからといって特定企業に進路を拘束されるのは望まないでしょうから,必ずしもファストリの思惑通りには行かない可能性は高いと思います。

それでも海外事業の推進を目指す企業として,このような前例のない試みを行っていこうという姿勢は,他の企業も見習うべきだと思います。

だからといって,皆一律に海外実習を自社の負担で行えというわけではありません。
それぞれの企業が,自社のできる範囲で人財確保のための有効な施策を見直すべきだということです。
ファストリの採用方式を猿真似したところで,自社に合った手法でなければ失敗してしまいますし,ファストリ自体,この試みが成功するかどうかはふたを開けて見なければわかりません。

つまり,これまでの有効性の低い採用方法から,より効果の高い採用方法を模索することが肝心だということです。
このような改革への取り組みが,より良い人財確保の方法の確立へ一歩前進することになると期待できます。

ところで,日本人学生の海外実習を行うのであれば,海外店舗を展開している国の学生も交換留学方式で日本で実習させればよいのではないかと思うのですが,さすがにそこまでは予算は計上できませんかね。
グローバル戦略というのは,単なる海外志向ではなく日本企業としての姿勢を世界に発信することでもあると私は思います。
そういう観点から,海外の人財も積極的にインターンシップで受け入れて,相互理解を深める必要もあるのではないかと思います。

【関連情報】
ファーストリテイリンググループキャリア採用サイト
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by mmwsp03f | 2010-10-14 09:39 | 経営・経済事情
ウォールストリートジャーナル日本版のウェブ記事の中で,ちょっと気になるものを発見。

それは,利用者数(会員数)が5億人超といわれているフェースブックの商品開発担当副社長クリス・コックス氏に関する記事で,彼が担う商品開発戦略に関する基本理念がそこで語られていました。

【関連情報】
フェースブック、人との交流を重視(ウォールストリートジャーナル日本版:2010年10月12日10:02 JST)

記事の中では,フェースブックの開発戦略についてコックス氏の発言を引用して,次のように語られていました。
「問題に対してアルゴリズム的な解決法を探ろうとするのはあまりにも簡単だが、大事なのは対象がコンピュー ターではなく、人間だということだ」と語った。その上で、同社が技術的なソリューションよりも、よりソーシャルなソリューションの開発を重要視する姿勢を明確にした。
この「ソーシャルなソリューション」というのは,いかにして利用者同士の使い勝手を意識して必要な機能を付加していくかを考案することと,私は理解しました。
そのことを表しているのが,記事中の下記の部分。
 同副社長はこう語る。「フェースブックは友人を1つの場所に集められないという問題を解決した一方で、すべての友人を1つ の場所に集めてしまうという問題を作り出した。自分にとって何か深刻なことが起こったらすべての友人に知らせたいと思うだろうが、例えば『マラソンをしてとても気持ちよかった』みたいな、より限定的な内容については、一部の友人にだけ知らせたいだろう」。
つまり,情報の種類に応じて発信する対象者を限定的に選択するということ。

現在のソーシャル・メディアは,フェースブックに限らずツィッターでもそうですが,自分のフォロワーすべてに無差別に情報を発信していて,フォロワーを限定して発信する機能が弱いということがあります。

そのような不備を改善し,よりユーザビリティな仕様に改善していきましょうというのが,その趣旨ということになります。

このようなユーザー視点での開発構想を持つ企業というのは,非常に優れた企業であるといえるでしょう。

この点については,ツィッターでもつぶやいておりますので,それを下記に併記しておきます。
「大事なのは対象がコンピューターではなく、人間だ」というフェースブックのクリス・コックス副社長の主張は尤も至極。開発担当者は意外にこのような視点が抜けていることが多い RT @WSJJapan: フェースブック、人との交流を重視 http://bit.ly/c0SEOU

コンピュータ関係の開発者に限らず,エンドユーザーを意識せずに商品開発やサービスを普及させようとしている企業や現場担当者は多い。例えば,音声案内による電話交換システムがその典型。自分たちが対応しやすいように顧客を誘導しようという企業側の都合によって考案されたもの。

音声案内のメッセージを聞くことで時間をとられ,担当者が出てくるまで時間がかかる(即出てくる場合もあるが)。しかも,メッセージの指示に従ってダイヤルキーを押すのは1回ではなく2回以上。「ただいま混み合っています」で電話を切られることもある。有料回線への接続の場合は時間と料金の無駄。

このような管理する側の都合で開発された商品やサービスは,得てして使い勝手が悪い。実際に管理する側の人間が使ってみれば,その問題点がわかるのだが,そういう手間はなぜか惜しむという傾向が見られる。結局,ユーザー視点に立てない企業はユーザーからの指摘を素人の戯言として顧みないのが問題。

自分がユーザーになってみて初めてわかる自社の商品・サービスの問題点は多々あると思う。自発的に自社の商品・サービスをユーザー目線で検証し,改善点を見出そうとする企業は本当に良い企業だろう。就職の際には,そのような視点から見ていくと,その企業の本質がわかってくるのではないだろうか。

現在,あたりまえに各企業で導入されているユーザーサポートですが,その運営については必ずしもユーザー目線であるとは言えない対応が見受けられます。
サポート対応が多いユーザーを,ただ件数が多いというだけで「クレーマー」に分類していたり,「分らず屋」だと切り捨てるような対応を見かけたことがあります。
それは,何が問題でそのようなクレームが来るのかということを認識する機会を自ら放棄していることになります。

面倒くさいことを避ける傾向から自らの問題点を直視しないということは,後々その会社の評価の失墜,客の減少という事態につながることになります。

やはり,企業イメージの向上・維持はユーザビリティを意識した商品・サービスの提供ということが言えるのではないでしょうか?

【ブックマーク】
IT / フェースブック、人との交流を重視 / The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com IT /   フェースブック、人との交流を重視 /    The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com(はてなブックマーク)
IT / フェースブック、人との交流を重視 / The Wall Street Journal, Japan Online Edition - WSJ.com(Yahoo!ブックマーク/My Bookmark)
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by mmwsp03f | 2010-10-12 13:03 | 経営・経済事情
先日,編集・記者募集を行っていたGIGAZINEが,今度はネットワークやWebデザインの拡充を目指してサーバー運用者,Webデザイン等の担当者を募集することにしたそうです。

【求人募集】GIGAZINEで働きたいネットワークエンジニア・Webプログラマー・Webデザイナーを募集します

先の編集・記者募集では,
人を雇えば雇うほど私の負担が増していき、ほかの編集部員の給料を出すために月給も何もかも私が一番低いワーキングプア状態人を雇えば雇うほど私の負担が増していき、ほかの編集部員の給料を出すために月給も何もかも私が一番低いワーキングプア状態
と,経営状態が悪化しているかのようなことを訴えていたようですが,違うのですかね?

あえてここで人員と設備の拡充によって,社内の体制を再構築しようという意図はわからなくはないのですが,それは本当に必要な投資ですか?,と逆に疑問を呈してみたくもなります。

サービス拡充のためには必要な投資もありますが,いまGIGAZINEの編集長が考えている拡充計画は本当に必要なものなのでしょうか?

今回は,ネットワークエンジニアと同時に「Webプログラマー・Webデザイナーも募集します」とあるところから,最低でも3名雇用する予定のようですが,「より見やすくわかりやすいウェブデザインと読者のユーザビリティ向上」には「Webプログラマー・Webデザイナー」は必要な存在だということはわかります。

だけど,ネットワーク専従の従業員は果して必要でしょうか?

私はネットワークの専門家ではありませんから,Webサービスとサーバー管理の連動について詳しいことはわかりません。
しかし,コスト面との折り合いをつけるのであれば,自社サーバーからレンタルサーバーへの移行を考えた方が良いような気がします。

レンタルサーバーでの運用の利点は,

●自社でメンテナンスを行う必要がない。
●運用費が基本定額で済むので,予算を組みやすく経費の見通しがつきやすい。
●必要なサーバーの機能を自社開発する必要がないので,その分のコストが軽減できる。
●自社サーバーの場合,ダウンしたら復旧に時間がかかる。
●長期的に見た場合,ランニングコストは人件費等も勘案するとレンタルサーバーの方がコスト的に安く済む。

などがあげられます。

基本的に,ハードの運用は専門の業者に任せてしまうというのが賢い方法だと思うのですが,あえて自社サーバーにこだわるのはどうしてでしょうか?
一部,広告配信サービスについては,Googleの広告配信サーバーにシフトすることが記されていますが,機密情報を扱っているわけでもないでしょうし,本体も含めてレンタルサーバーに移行したほうがいいと思うんですけどね。

わざわざ移転先まで決めて内装工事まで行っているところから,編集長が訴えているほど深刻な赤字経営ではないということなんでしょう。
だけど,本気でGIGAZINE建て直しを考えているのであれば,どこにコストをかけ,どこを削るべきかを精査すべきです。

英語版の月間売り上げが最大で5000円程度であるという現状について吐露されていますが,ではなぜ5000円程度の売り上げしかあげることができなかったのか,その点については分析されていないようです。

「目先だけのことを考えるのであればとりあえず日本語版のGIGAZINE本体に集中した方がいいというのはわかるのですが、それだけだとその先がないので、悩み所です」とありますが,じゃあ,今後どういう展開を考えているのかという,戦略的視点が見えてきません。

月間売り上げの低迷の原因を特定できずに,いたずらに英語版を運営したころでコストばかりが積み重なっていくだけで,何の解決にもなりません。
アクセス解析だけで原因が特定できるようであれば,どこのニュースサイトも苦労はしないんですけどね。
マーケティングというのは,需要の予測と検証という作業が必要になるのですが,それをアクセス解析だけで済むと考えているところに,GIGAZINE編集長の甘さが垣間見えます。

それと,編集長は何を目指しているのかよくわかりません。
その他、ありとあらゆる部分を少しずつ、あるいは大きく変えていくことになると思います。これらの機能を搭載しつつも、可能な限り負荷を抑えてシンプルな構成のサーバで運用し、コストを下げていくのが目標です。機能とコストとを天秤にかけた場合、これまではコスト重視でありとあらゆる開発を放置してきましたが、今後のことを考えると、もっと機能的な面も重視していくべきだと考えを改めました
太字のところを注意して読んでみると,編集長はかなり矛盾したことを主張されています。
あなたは,コストを下げたいですか? コストをかけてでも機能を充実させたいのですか?
いったいどっちなの?

機能を充実させれば,コストアップにつながるというのは素人でもわかる道理。
コストと機能を両天秤にかけ,どのようにバランスをとっていけばよいかと考えた場合,自社でそれをやっていけば,確実にコストアップに繋がるのは当然のことです。

杜撰な採用活動のツケ」のときにも書きましたが,GIGAZINEの編集長は「ただ理念を語る」ばかりで戦略的視点,計画性が欠けていると感じられます。


最後に,先の解雇騒動の根本的要因と考えられる一文が語られていましたので,その部分を引用しておきたいと思います。
ほかにもさまざまなアイディアがあり、どれもこれもGIGAZINEに多数集まっている「読者」をつなげていく、そういうものにしていきたいというのが基本的な部分であり、私自身の目指す「理想のGIGAZINE」の姿を実現していくという仕事になります。つまり、純粋に私のビジョンを実現していくための実行部隊です。
太字の部分に注目!
GIGAZINE編集長はワンマン志向であることが明示されています。
皆で考えて実現していこうというのではなく,自分の考えることを実現するために自分の言うとおりに仕事をせよと明確に語っています。

「反対意見は受け付けない」「俺の言うとおりやればいいんだ」というのが社の方針ということのようです。
このような独善的傾向と社員との間のコミュニケーションの断絶が,解雇騒動の主要因であるように思われます。

果たして,これでGIGAZINEを立て直すことが出来るのでしょうか?
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by mmwsp03f | 2010-08-04 12:20 | 経営・経済事情

有名メディアの凋落

ニューズウィーク誌というとタイム誌と並んで,アメリカ発のニュース雑誌として最も名の知れた存在です。
ニューズウィーク誌は日本語版も発刊されているので,恐らくタイム誌よりも日本ではなじみが深いのではないかと思います。

私も一時期,月に2~3冊程度店頭買いをしていたことがあります。
わりと読みやすく解説もわかりやすいうえ,興味を喚起するような特集や紙面構成もなかなか良かった記憶があります。
アメリカを中心とした国際情勢を知るのに手ごろな資料として活用していたものです。

最近はニュース雑誌はご無沙汰ぎみですが,機会があれば手にとって目を通すこともあります。

そのニューズウィーク誌が,ワシントン・ポストの傘下からオーディオ機器の製造販売で有名なハーマン・インターナショナル・インダストリーズの創業者であるシドニー・ハーマン氏に売却されることになったそうです。

【関連情報】
ニューズウィークを売却=音響機器メーカー創設者に-米紙(時事ドットコム)
ニューズウィーク誌の売却先は米富豪ハーマン氏、ワシントン・ポスト(AFPBB News)
ニューズウィーク誌、米音響機器大手ハーマン創業者が買収へ
(プレジデントロイター)
米ワシントン・ポスト:ニューズウィークをハーマン氏に売却(Bloomberg.com)

売り上げ不振が続いていたニューズウィーク誌の身売りを決意したワシントン・ポストは,入札による売却先を募集したそうですが,結局は「ジャーナリズムの質の重要性についてわれわれと同じぐらい強く認識している人物」と判断したシドニー・ハーマン氏に売却することにしたそうです。

基本的に従業員の大半はそのまま引き継ぐ方針で,年金資産と債務などはワシントン・ポストが保持するということがわかっている程度。
あまり詳しい報道はされていないので大したことはわかりません。
シドニー・ハーマン氏がどのような腹案を持ってニューズウィークを立て直すつもりなのかも不明なまま。

ニューズウィークという資産は非常に高い価値を持つことはわかるのですが,その資産を維持するのにどのような方針を持っているのかがわからないままの売却劇となっているので,おそらく従業員は不安いっぱいだと思います。

しかもシドニー・ハーマン氏は91歳という高齢で,どこまで経営にかかわることが出来るかわかりません。
それに,畑違いの分野の経営にかかわるわけですから,どのような立て直し策をもっているのか未知数です。
恐らく実質的な経営は別の人に委ね,オーナーとして直接経営にタッチすることはないでしょうから,実務を担う役員いかんによって
その役員すら決まっていないでしょうから,この状況では先行きの不安をぬぐうことは難しいといえるでしょう。

さて,本家アメリカでのニューズウィーク売却に対して,ニューズウィーク日本版はどうなるのでしょうか。
日本版編集長の竹田圭吾氏は,日本版は米国版の売却に大きな影響を受けることはないとしています。
ニューズウィークには米国版のほかに、英語での国際版(太平洋版、ヨーロッパ版、中南米版)、現地語でのローカル版(日本版、韓国版、ポーランド版、ロシア版、アラビア語版、スペイン語版、アルゼンチン版、トルコ版)がある。12のエディションはニュースメディアとしてのNewsweekの基本的な理念は共有しつつ、それぞれ独立した編集方針のもとに週刊の雑誌やウェブで記事を送り出し、それぞれの国・地域の読者ニーズや、ネットやデジタルデバイスの普及に応じた新しい展開を進めている。米国版がワシントン・ポストの元を離れようと、そうした取り組みが必要なことには変わりない。

米国版からコンテンツ提供を受けているだけで,それぞれが独立したメディアとして活動しているということですね。

【関連情報】
ワシントン・ポストのNewsweek売却について(竹田圭吾編集長)
ニューズウィーク日本版オフィシャルサイト

しかし,その主要コンテンツを供給している配信元が危機的状況に陥っているということは,ニューズウィーク各国版に少なからず影響を与えることは確かです。
果たして,ハーマン氏はどういう再建策を考えているのでしょうか?

ニュース誌としてのクォリティを落とすことのないように配慮した再建を実現してくれることを願っています。
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by mmwsp03f | 2010-08-03 22:24 | 経営・経済事情

言葉遣いの裏にある真実

ビジネスにおいては,たとえ同僚であっても相手をののしる,侮蔑的な表現や威圧的言辞を弄するなどの行為はご法度とされているものですが,有名企業・大企業でも意外にこの常識が守られていないところがあります。

アメリカ有数の証券会社ゴールドマン・サックスで,そのような不適表現を駆使したお世辞にも上品とはいえない社内メールがやり取りされていたそうです。

メールの“汚い言葉”禁止 ゴールドマン全従業員に【社会総合 - エキサイトニュース】

ゴールドマン・サックスは今年の4月にアメリカ証券取引委員会(SEC)により,サブプライムローン取引における証券詐欺容疑で提訴され,上院の公聴会でその点をかなり厳しく追及されました。
この際のゴールドマン・サックスの「空売り」手法と共に経営陣の証言内容にもかなり批判が集中していたようです。

【関連情報】
ゴールドマンCEOら米公聴会開催 強欲体質の象徴を標的(産経ニュース,2010.4.28)
空売り益「ほんの470億円」 公聴会でゴールドマン側(Asahi.com,2010年4月29日)

この公聴会の際に,トレーダーたちの社内メールが証拠として取り上げられたそうなのですが,その内容がひどいのなんのって,下品な表現のオンパレードだったらしいのです。
それが一般にも公表されてしまったものだから,かなり国民からの突き上げを受けたようです。

そこで「汚い言葉」禁止令が発せられたとの事ですが,ちょっとまて!

ゴールドマン・サックス経営陣は,本質的なところが何もわかっていない。
なぜ「汚い言葉」が,日常的に社内の人間によって発せられていたのか,その点を追求しなければ何も解決しやしない。

「ののしりや汚い言葉」をやり取りがされているということは,社内にすさんだ人間関係・職場環境が存在することの現れです。

「ののしりや汚い言葉」が使われていたことの背景として考えられるのは,

(1)相手を見下し,自らの主張を押し通そうという傲慢な考え
(2)自分が相手よりも優位に立ちたいという願望
(3)日常的に忙しく,追い詰められる中での心理的な余裕の喪失
(4)慣例として不適表現の使用を許容する企業文化


などがあります。

特に,サブプライムローン問題との関連で見た場合,投資家を犠牲にしても自社の利益を確保する姿勢は(1)と(2)に通じるものがあります。

ただ「汚い言葉」を禁止して言葉遣いを改めるなどという布告を出した程度で,国民の批判を回避して事態が改善できると考えているようでは,まったくダメですね。
表側だけ体裁をつくろっているようでは,良い企業とはいえませんし,その程度のことで批判を回避できるという考えでいるようでは経営者失格です。

つまり,何事も自社(自分)優位,特権意識の保持という根本的な姿勢を正すことが何よりも先決で,それがゴールドマン・サックスに要求されていることだということです。

企業のモラルハザードが問題視されているのにもかかわらず,特に金融業界は顧客を犠牲にした儲け主義(産経の記事でいうところの「強欲体質」)の傾向が強いのが現状です。

「金融」業界の方々は,他人の金で儲けさせてもらっているという自覚があまりにも欠けているように思えます。
そのことを如実に表しているのがサブプライムローン問題であるといえます。

そして,このような金融業界の体質を如実に表しているのが,実は「ののしりや汚い言葉」であったりするのです。

本当に相手を思いやる心・姿勢があるのであれば,はじめから相手をののしることはありませんし,公の場で問題とされるような「汚い言葉」が発せられることはないでしょう。

ゴールドマン・サックスが目指すべきなのは,「ののしりや汚い言葉」を禁ずることではなく,「ののしりや汚い言葉」が発せされる職場環境の改善なのです。
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by mmwsp03f | 2010-07-30 11:56 | 経営・経済事情

世界戦略と英語公用語化

ビジネスで使われる英会話は,かなり高度な表現を多用するので,これから英会話を勉強するという会社員にとっては,かなりハードルが高いといえるでしょう(交渉ごとが多いので)。

英会話苦手な私なんぞは,相手がまくし立てるマシンガントークについていけず,沈黙してしまうことになってしまいかねません。

私は,日頃からわりと言いたいことをバシバシ言っちゃったりするのですが,こと外国語となると会話についていけないという負い目もあって,なかなか積極的になれません。
そういう方って,かなり多いのではないでしょうか。

それが,日本語の会話でもうまいことコミュニケーションが図れないという方の場合は,さらにハードルが高くなってしまいます。
この日本語でのコミュニケーションがうまくいかない人って案外多いんですよね。

そういう日本社会の現状を打破するかのような決断をし,それを実行しようとしている会社があります。
それが,楽天とファーストリテイリング(ユニクロ・ブランドを展開する会社)です。

この2社は,これからは世界を視野に市場を展開していかないと生き残れないということで,社内で英語を公用語にするということを宣言しています(両社共に2012年をめどに英語の社内公用語化を実現すると公表しています)。

例えば会議の際には,すべて英会話とか,メールでの報告はすべて英語とかいうことを実行するようです。
「公用語」と言っているくらいですから,社内の日常会話も英語にするということなんでしょうね。

これについては社内からの批判も多いようですね。
そこいら辺のこまかい事情については,下記の記事を参照あれ。

ファストリ、楽天が英語を「社内公用語」 ネット上や居酒屋談義でも賛否両論【経済総合 - エキサイトニュース】

世界戦略を展開していくのに,英語・英会話が必要であることは当然理解できることです。
戦略的方向性としては,恐らく多くの方が正しい,妥当だと思われることでしょう。

しかし,ちょっと待ってください。
戦略的方向性が正しかったとしても,やり方が間違っていたら結局は失敗です。
2012年までに英語を「社内公用語化」するタイムスケジュールはちゃんと考えているんですかね?

戦略というものは,計画なくしては成り立ちません。
プロセスを考えた上での「社内公用語化」なら良いのですが,どうも「いつまでに実現する」という目標だけが掲げられていて,社員はそれに向けてがんばるようにというだけのようにも見えなくもない。

案外,目標設定することが戦略だと勘違いする経営者がいたりするのが日本の現状。
楽天とファストリがそうでなければ良いのですが・・・

まず問題なのは,先にも述べましたとおり日本語のコミュニケーションがうまいこと出来ない社員に「英語をやれ」といってもうまくいかないということ。

こういう人たちには,基本的なコミュニケーション・スキルを身に着けていただかないとなりません。
そういうやつはクビだというのは簡単ですが,意外に多いのがこの手の人たち。
だけど,仕事の処理能力(事務処理能力)がずば抜けているという人も中には居たりするんですよね(特に専門職に多い)。
理解する能力に長けていても,表現することは苦手という人も居ます。
そういう人たちを切っちゃっていいの? 会社がガタガタになっちゃうよという懸念もあります。

「海外人材の登用が欠かせないが、コミュニケーションにいちいち通訳を雇うわけにもいかない、ということもある」というファストリの柳井氏の発言が記事にありましたが,海外事業に専従する社員に特化して外国語を必須にするとか,各事業部に一定比率で外国語能力に長けた社員を配分するとかの方法もありますよね,とかツッコんでみたり・・・。

もちろん,全社員が英語を理解し,話せれば申し分ありません。
しかし,それにはかなり経済的・時間的コストがかかるということを理解されているのかちょっと疑問に思ったりしています。

別に,英語を「社内公用語化」することが悪いといっているわけではなく,それを2012年に実現するという決断は,社内の実情をしっかり把握した結果導き出したものなのかという点が問題なのです。

「公用語化」というのは,社内全員が英語が出来ることが前提です。
それを,実現できるだけの計画もなく,ただ「実現する」といっているだけだったら「絵に描いた餅」でしかありません。

三木谷さんや柳井さんが考えているほど,事は簡単ではありません。
やるからには,会社としてどのようなフォローをするかというところまでキッチリ公表し,実行することが肝心だと思うのですが・・・。

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by mmwsp03f | 2010-07-22 12:00 | 経営・経済事情