まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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職業選択の不自由

私の知り合いに川崎市内に薬局を数店舗経営している人がいるのですが,その人が先日,求人をしてもなかなかいい人が来てくれないと漏らしていました。

聞くところによると,薬剤師の人手不足で求人をしているそうなんですが,大学の薬学部に募集をかけてもほとんど応募がないらしく,人材紹介会社にも数社へ声をかけているそうなんですが,なかなか紹介をしてこないそうです。

それで,ようやく人材紹介会社が以前個人で薬局を経営していたという56歳の人を紹介してきたので,とりあえずためしに雇ってみた(おそらく紹介予定派遣)ところ,仕事はなかなか覚えないし,自分のやり方を頑なに守り,職場環境の変化に適応できない人だったらしく,結局やめてもらったとのこと。

待遇としては,年棒500万円で中小企業としては悪くはないほうです。

近年,医薬分業の進展によって調剤薬局の数が増えたことにより,薬剤師不足が叫ばれるようになっています。
その理由としては,薬学部の修了年限が4年から6年に延長され,一時的に人手不足になっているという指摘もありますが,やはりそれが主要因とは言えないでしょう(それにこれは一時的な供給減ですし)。

厚生労働省の調査によると,平成6年~22年までの薬剤師数(総数)は統計年次毎9,000人前後増えています。

【関連情報】
医師・歯科医師・薬剤師調査=薬剤師数の年次推移(平成6年~平成22年),業務の種別(CSVファイル)(e-stat: 政府統計の総合窓口)

薬剤師のうち薬局勤務者が圧倒的多数で,平成22年のみで見てみると約53%を占めています。

年々薬剤師は増え続けているわけですが,それなのに中小の薬局で薬剤師不足の声が聞かれるということは,企業・事業所によって就業する薬剤師が遍在していることを示しています。
中小の薬局よりもマツモトキヨシやハックドラックのような大手の薬局・薬店を希望したり,より便利な場所の薬局・薬店への就業を希望したりしているということなのでしょう。

最近では,学生の大企業志向に少し変化が見られたようで,中小企業の合同企業説明会に積極的に参加する就活生が増えてきたとのことです。
そんなこともあって,先の薬局経営者の知り合いに,大学と積極的につながりをもつ意味からインターンシップを導入してみたらどうか?というようなことも言ってみたのですが,あまり乗り気ではないご様子。

大学に求人出しても応募はないし,人材紹介会社はろくな人を紹介してこないしで,なんとなくあきらめムードが漂っていましたねえ。

ちなみに,人材紹介会社(人材派遣会社含む)を介して就職・転職に成功したという人はごく一握りで,人材紹介会社に登録してもほったらかしのままという人がかなりたくさんいます。
これら紹介会社は経歴から確実に採用されそうで高く売り込みができそうな就職・転職希望者にだけ積極的にアプローチをし,登録者の資質・人柄などをきちんと見据えて,企業に売り込むことをしていません。

かの薬局経営者の知人は,人材紹介会社は「金だけはしっかりとっていくんだよね」と漏らしていましたが,このようなことを口にするということは,件の人材紹介会社はその後のフォローをちゃんとしていなかったのでしょう。

しかし,それと同時に薬学部の就活生がぜんぜん見向きもしないことにも失望を隠せないといった感じでもありました。

就職難の陰には,実は有名な大手企業へ就職・転職希望者が集中してしまい,そこからあぶれてしまった人たちが就職できなかったといったこともあると思います。

中には「仕方がないから」といったような消極的な姿勢で中小企業をまわる人もいるようですが,そういうことだと,その企業のいいところはなかなか見えないと思いますし,企業側からも良い人財とみなしてもらえないでしょう。

就職・転職希望者の行動によって採用する側を失望させ,積極的な雇用への取り組みを控えるムードを作り出してしまっていることもあるということを考えてみてもらいたいと思います。

自分たちの行動が,自らの就業機会を奪ってしまうこともあるのだなあと考えさせられるお話でした。
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by mmwsp03f | 2012-07-18 12:26 | 日々雑感