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まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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苦情を呼ぶ公共広告

東北地方太平洋沖地震が起こってからの各企業のCM自粛によって、その穴を埋めるためにACジャパン制作の公共広告が頻繁に放送されるようになりました。

このACのCMはバリエーションが少ないことから、何度も同じ内容が繰り返し流されて、正直うんざりしている方も多いと思います。

ツィッターの書き込みを見ても、CMの最後に入る「エ~シ~」が妙に気になるとか、飽きたとか、いいかげんやめてほしいなどという意見がかなりありました。

かなりの人がACのCMについては不快感を持っていたようで、ACジャパンに苦情が殺到し、脅迫をするものまで出る始末。

【関連情報】
AC大量CMに苦情殺到…脅迫電話も(デイリースポーツオンライン)
「東北地方太平洋沖地震」にあたってACジャパンのCM放送についてのお詫びとお知らせ(社団法人 ACジャパン)

まあ、確かに私もあのCMには辟易としてはいますが、だからといってACジャパンにわざわざ苦情を言うという気にはなりません。

デイリースポーツオンラインの記事を見てみると、かなり的外れな勘違い苦情が殺到しているらしいですね。

中に「子宮がんや脳卒中予防の内容に対し『こんな大変な時にがん検診なんか行けるか』といった」苦情があるとのことですが、これを見て私が思ったことは、大きすぎる問題はその他の諸問題への人々の意識を喪失または薄れさせてしまうということ。

われわれの社会が抱えている問題は、何も被災者救援や震災復興、原発危機だけではありません。

今もガンや脳卒中などの病気を抱えて苦しんでいる人々がいて、今健康であるように思えるわれわれの中にもガンや脳卒中になってしまう危険性をもつ人々がいるわけです。
こういった病への対策は、震災が起こったからといって消えてなくなってしまうものでも、待ってくれるものでもありません。

これ以外にも消費者問題、労使問題、環境問題、外交問題など、対処しなければならない懸案事項が山積みなのです。

たしかに今回の震災は、他の諸問題を薄れさせるほどのインパクトの強い現在進行形の大問題ではありますが、その他の懸案も忘れてよい訳ではありません。

「こんな大変な時にがん検診なんか行けるか」という苦情は、震災のショックで心に余裕がない状態でのものと思いますが、だからといってなにを言ってもかまわないわけではありません。

震災時に放送されているCMだからといって、必ずしも震災に関連したものだけを流さなければならないわけではありませんし、公共広告が震災一色というのも他の諸問題を排除しているようで、かえってよくないと私は思います。

今回の事件は、なかなか思うように進まない震災復興に対する苛立ちの矛先がACジャパンに向けられる形となっているようですが、そのようなことをしても不満の解消にはなりません。

大きな問題にばかり目を向けてばかりいると、他の問題が先送りにされたり、未解決のまま放置される可能性がありますので、他にも目を配るということを心がけてほしいと思います。

ところで、ACジャパンではCMのバリエーションを増やし、「『東北地方太平洋沖地震』で被災された方々を応援する臨時キャンペーンCM」を公表する予定だそうですが、なんか遅きに失した感があって、また苦情を呼びそうな予感があるのですが大丈夫なんですかねえ。
by mmwsp03f | 2011-03-22 02:48 | 社会問題一般