情報サイト運営における企業的責任
2010年 09月 10日
普通,飲食店というものは自分の店をPRしてもらえると喜ぶものですが,それも時と場合によりけり。
必ずしも,掲載してほしいと思っている店ばかりではありません。
よくマスコミ取材お断りの店とかあったりしますが,今回はそういう店の話ではなく,勝手に紹介された店の情報が古いので削除してくれと要求したところ,グルメ情報サイトからダメと断られた店のお話。
投稿グルメサイトとして有名な「食べログ」が,投稿された紹介記事の掲載をめぐって佐賀県佐賀市の飲食店に提訴されたという事件の記事が掲載されています。
【関連情報】
■「店舗情報勝手に載せないで」 佐賀県の飲食店が「食べログ」提訴(エキサイトニュース)
■うちの店載せないで 佐賀市の飲食店「食べログ」提訴 (佐賀新聞:2010年09月09日)
なぜ,「食べログ」に紹介された飲食店が訴訟に踏み切ったのか?
記事によると,飲食店側は「情報が更新されず,現状とは違う内容が無断掲載され,営業妨害になっている」ことを理由に裁判に訴えたとのことですが,つまりこういうことです。
1.匿名の利用者が当該飲食店を紹介する記事を,店の外観やメニューの写真付きで掲載した。
2.その後,飲食店の外観やメニューは変更されたが,「食べログ」の情報は修正されなかった。
3.店側は「食べログ」に対して,古い情報のままでは客が誤解するとして記事の削除を求めた。
4.「食べログ」側は,内容に違法性がないことを理由に記事削除を拒否。
5.このままではラチがあかないので,店側が佐賀地裁に記事削除の訴訟を提起。
大まかにはこのような流れです。
ただし,3と4の間には双方かなりいろいろなやり取りがあったのでしょうねえ。
そこで思うに,店側が記事を修正しようと思わなかったのかということ。
「食べログ」のサイトを覗いて見たところ,一度投稿した記事は修正も削除もできない仕様になっているようです。
だけど,追加記事として掲載することは可能なので,それを利用して最新情報に更新すればOKなんじゃないかなと思うのですが,店側はそう思わなかったみたいです。
だったら「食べログ」側で修正してあげればいいように思うのですが,「食べログ」担当者はそう思わなかった模様。
じゃなきゃ,これほどモメはしなかったろうと思います。
運営会社のカカクコムが訴訟の答弁書で,「掲載内容は投稿時の客観的事実と合致し、最新の情報と異なる可能性があるので確認するよう注意書きも明記していると反論」したとのことで,これを見た限りでも「うちは悪くない」「何が問題なんだ」と相手側を突っぱねる様子が伺えます。
「投稿時に客観的事実と合致したって,現在違うんじゃ意味ないでしょ」と恐らくみんなが思うであろうことをツッコんでみる。
店側が訴訟にまで踏み切ったのには,恐らくカカクコム側の対応のまずさが大きな理由なのではないかと推測できます。
だって,情報古い,間違っているから何とかしてくれといわれれば,事実関係を確認して何とか対応しようと思うでしょう,普通。
佐賀新聞の記事で神戸大学大学院の森井昌克教授(情報通信工学)も「あまりにも古くなった情報は営業に差し障る。削除などの対策を考えるべきだろう」とおっしゃっていますし,影響力の強いサイトであればあるほど情報管理には気をつけないといけません。
「食べログでは……店舗様のご意向に関わらず口コミが投稿される仕組みとなっておりますので、ご了承ください」といったって,編集部の裁量で補足情報ぐらい入れられるだろうとか思うんですけどね。
別に評価情報を改ざんしてくれと要求をしているわけではないですし,基本情報を最新のものにしてほしいという店側の要求ぐらいは,きっちりと応えるのが企業としての社会的責任(CSR)というもんではないですかね。
それができないというのであれば,情報サイトなど運営すべきではありません。
必ずしも,掲載してほしいと思っている店ばかりではありません。
よくマスコミ取材お断りの店とかあったりしますが,今回はそういう店の話ではなく,勝手に紹介された店の情報が古いので削除してくれと要求したところ,グルメ情報サイトからダメと断られた店のお話。
投稿グルメサイトとして有名な「食べログ」が,投稿された紹介記事の掲載をめぐって佐賀県佐賀市の飲食店に提訴されたという事件の記事が掲載されています。
【関連情報】
■「店舗情報勝手に載せないで」 佐賀県の飲食店が「食べログ」提訴(エキサイトニュース)
■うちの店載せないで 佐賀市の飲食店「食べログ」提訴 (佐賀新聞:2010年09月09日)
なぜ,「食べログ」に紹介された飲食店が訴訟に踏み切ったのか?
記事によると,飲食店側は「情報が更新されず,現状とは違う内容が無断掲載され,営業妨害になっている」ことを理由に裁判に訴えたとのことですが,つまりこういうことです。
1.匿名の利用者が当該飲食店を紹介する記事を,店の外観やメニューの写真付きで掲載した。
2.その後,飲食店の外観やメニューは変更されたが,「食べログ」の情報は修正されなかった。
3.店側は「食べログ」に対して,古い情報のままでは客が誤解するとして記事の削除を求めた。
4.「食べログ」側は,内容に違法性がないことを理由に記事削除を拒否。
5.このままではラチがあかないので,店側が佐賀地裁に記事削除の訴訟を提起。
大まかにはこのような流れです。
ただし,3と4の間には双方かなりいろいろなやり取りがあったのでしょうねえ。
そこで思うに,店側が記事を修正しようと思わなかったのかということ。
「食べログ」のサイトを覗いて見たところ,一度投稿した記事は修正も削除もできない仕様になっているようです。
だけど,追加記事として掲載することは可能なので,それを利用して最新情報に更新すればOKなんじゃないかなと思うのですが,店側はそう思わなかったみたいです。
だったら「食べログ」側で修正してあげればいいように思うのですが,「食べログ」担当者はそう思わなかった模様。
じゃなきゃ,これほどモメはしなかったろうと思います。
運営会社のカカクコムが訴訟の答弁書で,「掲載内容は投稿時の客観的事実と合致し、最新の情報と異なる可能性があるので確認するよう注意書きも明記していると反論」したとのことで,これを見た限りでも「うちは悪くない」「何が問題なんだ」と相手側を突っぱねる様子が伺えます。
「投稿時に客観的事実と合致したって,現在違うんじゃ意味ないでしょ」と恐らくみんなが思うであろうことをツッコんでみる。
店側が訴訟にまで踏み切ったのには,恐らくカカクコム側の対応のまずさが大きな理由なのではないかと推測できます。
だって,情報古い,間違っているから何とかしてくれといわれれば,事実関係を確認して何とか対応しようと思うでしょう,普通。
佐賀新聞の記事で神戸大学大学院の森井昌克教授(情報通信工学)も「あまりにも古くなった情報は営業に差し障る。削除などの対策を考えるべきだろう」とおっしゃっていますし,影響力の強いサイトであればあるほど情報管理には気をつけないといけません。
「食べログでは……店舗様のご意向に関わらず口コミが投稿される仕組みとなっておりますので、ご了承ください」といったって,編集部の裁量で補足情報ぐらい入れられるだろうとか思うんですけどね。
別に評価情報を改ざんしてくれと要求をしているわけではないですし,基本情報を最新のものにしてほしいという店側の要求ぐらいは,きっちりと応えるのが企業としての社会的責任(CSR)というもんではないですかね。
それができないというのであれば,情報サイトなど運営すべきではありません。
by mmwsp03f
| 2010-09-10 17:22
| 社会問題一般