まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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愚者の論理がもたらす国際社会の危機

ウォールストリートジャーナル日本版のWebサイトを見てみると,非常にショッキングな記事がアップされていました。

それは,フロリダ州のある小さな教会の一牧師が思いついた愚かな行為によって,国際情勢に大きな亀裂が生じようとしているというもの。
その愚かな行為というのが,9月11日の同時多発テロ9周年にイスラムの聖典であるコーランの焼却というパフォーマンスを強行することを宣言しているもので,各方面で大きな反響を呼んでいます。

政府・軍関係者だけではなく,パキスタン訪問中の女優アンジョリーナ・ジョリーからも批判的なメッセージが寄せられています。

【関連情報】
コーラン焼却計画、断念するつもりない=米フロリダ州の牧師(WSJ:2010年 9月 9日 10:49 JST)
米国:11日に教会がコーラン焼却計画 政府が中止要請(毎日jp:2010年9月8日 11時03分)
コーラン焼却『賛同しないで』 米高官ら一斉非難(Tokyo Web:2010年9月9日)
コーラン焼却、欧州でも非難(時事ドットコム:2010/09/08-22:09)
米の教会、コーラン焼却を計画 アフガンなどで抗議活動(asahi.com:2010年9月8日14時43分)
アンジェリーナ・ジョリー、コーラン焼却を計画するフロリダの教会を非難(Woman Exciteニュース:2010年9月9日 11時26分)

これらの記事を見て,1933年のナチスによる焚書を連想された方も多いのではないでしょうか。
実際これは,自分たちとは相容れない者を排除するという象徴的な意味を含んでいます。

コーラン焼却の目的はイスラム過激派に対する抗議とのことですが,このパフォーマンスの意味を履き違えた浅薄な発想には開いた口もふさがらないというもの。

これを実行すれば,確実に世界中の全ムスリムを敵に回すことになります。
テリー・ジョーンズ牧師のメッセージは,明らかにすべてのムスリムに対する宣戦布告を意味するものとなるでしょう。
自らの行為の意味を考えることもなく,このような暴挙に打って出ることがいかに愚かなことか。

彼らがイスラム過激派へのメッセージだと言おうがなんだろうが,コーランはイスラム過激派以外のムスリムも心のよりどころとしている聖典であることを考えれば,当然すべてのムスリムからの反発を受けることは必至です。
そんなことは少し考えればわかることなのですが,福音主義派(聖書根本主義派)の頑迷な頭では理解できないようです。

この行為は確実に国際問題を引き起こします。
そのことが理解できない頭だからこそ,このような暴挙を実行しようと考えるのでしょう。

人間はすべからく自らの行為については,責任を負うべきであるというのが社会の基本的ルールです。
このテリー・ジョーンズとそれに迎合する輩は,自らの発言とその行為に責任を取ることができるでしょうか?

答えはもちろん否。
彼らが引き起こした国際問題を彼らが解決できるわけありません。
結局は,彼らの浅薄な行動の責任は,合衆国政府,さらにはアメリカ合衆国の全国民が負わされることになるのです。

恐らく彼らは,自らの鬱憤のはけ口としてコーラン焼却を思いつき,それに迎合したのでしょうが,その無責任極まりない行為によってアメリカ合衆国の全国民が危険にさらされ,国際社会をさらに危機的状況に追い込むことになっているのです。

残念ながらイスラム過激派は,バカな一部のはねっかえりの行為だからしょうがねえなあと考えるほどアメリカに好意的でも,寛容でもありません。
やれば確実にやり返そうとするのがイスラム過激派です。
しかも,より大きな損害をもたらすであろう方法によって。

つまり,彼らの無責任な行為によって9月11日の同時多発テロが再現されることになるかもしれないのです。
このことを考慮すれば,彼らの焚書は実力行使によって阻止すべきものです。

かつて哲学者のジャン・ポール・サルトルは,自由であるがゆえに責任を負うことが生まれながらに義務づけられているとして,人間は「自由の刑に処せられている」といいました。

人間は自らの言動に責任を負わなければならないというのは普遍的な常識といえるものです。

それを無視して勝手気ままに振舞うことがいかに危険なことか。
ここでまた一つ歴史的教訓が生まれたわけですが,このことの意味を理解しなければ教訓も意味を成しません。

まずは,海外の過激派よりも国内の過激派へ対処することが,アメリカが成すべきことであるといえるでしょう。
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by mmwsp03f | 2010-09-09 13:52 | 政治・国際事情