ものづくりに対する意識
2010年 07月 24日
時々不具合が発覚して製品を回収したり,交換をするというニュースや告知を目にすることがあります。
今回,「お,ねだん以上 ニ・ト・リ」のキャッチフレーズで有名な家具・インテリア製品の製造・販売を行っている株式会社ニトリが,木製の回転椅子の一部に不具合があったとして,回収修理をすると発表しました。
【関連情報】
■ニトリ 食卓椅子の一部製品に不具合 13万脚を自主回収(毎日jp:2010年7月23日 21時13分)
■お詫びと修理のお知らせ(株式会社ニトリ・お客様相談室)
安価な製品を提供するために,人件費の安い外国で工場を作って生産をするというのが,現在では当たり前になっていますが,その一方で製品の生産管理が徹底されていないという状況も見られるようです。
今回のニトリの椅子回収は,毎日jpの記事によれば「製造したタイの同社工場で接着剤を塗る量が一部不足していた」ため,「木製の2本の脚を組み合わせた接合部が外れ」るという事故が発生したために実施されたそうです。
接着剤を塗布する量が少なかった理由については不明ですが,これが意図的に減らしたものでないとしても,消費者に損害を与えた時点でアウトです。
製造物責任法(PL法)という法律が成立して以来,製品の質・管理はかなり厳しくなっているはずですが,意外と各種メーカーで製品の不具合による修理・交換が目立って多いような気がします。
この法律が成立した当初(1994年)は,メーカーはかなり意識して生産工程の管理の再チェック,改善を図っていたようですが,やはり10年以上経過すると,その意識も薄れてくるのでしょうか?
特に海外の工場の場合,現地の従業員に対する生産工程管理の重要性を認識させた上で,業務に取組むような研修制度を導入することが必要なのですが,ひょっとしたらこの部分が徹底されていなかったために,今回のような事態が起こったということも考えられます。
日本と海外では,物事の理解・常識には当然のことながら違いがあります。
日本であれば,日本の常識は通用するでしょうが,海外の場合はそれが通用するとは限りません。
ものづくりについてアバウトな考え方のお国柄というのもあるでしょうし,そういった国で工場を運営するのであれば,キチンとした研修・教育というのは大変重要な意味を持ってきます。
しかし,製造部門の海外移転を行っている企業は,人件費の削減による利潤の確保を第一に考えているところが圧倒的に多いので,そういう企業の中には「ものづくりに対する意識」というところまで徹底して教育していないところも少なからず存在している気がします。
無駄なコストを削減すると称して,肝心なものづくりへの取組みをおざなりにしては,製品の安全性・信頼性は確保できません。
コストカットのツケは,製品の回収・修理等による余計なコストを生む可能性もあり,下手すれば損害賠償によって収益と企業の信頼性という2面でダメージを受ける可能性もあります。
経営陣には,こういう視点をしっかりともっていただかないといけません。
「ものづくりに対する意識」を,まず持たなければならないのは経営陣の方なのかもしれません。
今回,「お,ねだん以上 ニ・ト・リ」のキャッチフレーズで有名な家具・インテリア製品の製造・販売を行っている株式会社ニトリが,木製の回転椅子の一部に不具合があったとして,回収修理をすると発表しました。
【関連情報】
■ニトリ 食卓椅子の一部製品に不具合 13万脚を自主回収(毎日jp:2010年7月23日 21時13分)
■お詫びと修理のお知らせ(株式会社ニトリ・お客様相談室)
安価な製品を提供するために,人件費の安い外国で工場を作って生産をするというのが,現在では当たり前になっていますが,その一方で製品の生産管理が徹底されていないという状況も見られるようです。
今回のニトリの椅子回収は,毎日jpの記事によれば「製造したタイの同社工場で接着剤を塗る量が一部不足していた」ため,「木製の2本の脚を組み合わせた接合部が外れ」るという事故が発生したために実施されたそうです。
接着剤を塗布する量が少なかった理由については不明ですが,これが意図的に減らしたものでないとしても,消費者に損害を与えた時点でアウトです。
製造物責任法(PL法)という法律が成立して以来,製品の質・管理はかなり厳しくなっているはずですが,意外と各種メーカーで製品の不具合による修理・交換が目立って多いような気がします。
この法律が成立した当初(1994年)は,メーカーはかなり意識して生産工程の管理の再チェック,改善を図っていたようですが,やはり10年以上経過すると,その意識も薄れてくるのでしょうか?
特に海外の工場の場合,現地の従業員に対する生産工程管理の重要性を認識させた上で,業務に取組むような研修制度を導入することが必要なのですが,ひょっとしたらこの部分が徹底されていなかったために,今回のような事態が起こったということも考えられます。
日本と海外では,物事の理解・常識には当然のことながら違いがあります。
日本であれば,日本の常識は通用するでしょうが,海外の場合はそれが通用するとは限りません。
ものづくりについてアバウトな考え方のお国柄というのもあるでしょうし,そういった国で工場を運営するのであれば,キチンとした研修・教育というのは大変重要な意味を持ってきます。
しかし,製造部門の海外移転を行っている企業は,人件費の削減による利潤の確保を第一に考えているところが圧倒的に多いので,そういう企業の中には「ものづくりに対する意識」というところまで徹底して教育していないところも少なからず存在している気がします。
無駄なコストを削減すると称して,肝心なものづくりへの取組みをおざなりにしては,製品の安全性・信頼性は確保できません。
コストカットのツケは,製品の回収・修理等による余計なコストを生む可能性もあり,下手すれば損害賠償によって収益と企業の信頼性という2面でダメージを受ける可能性もあります。
経営陣には,こういう視点をしっかりともっていただかないといけません。
「ものづくりに対する意識」を,まず持たなければならないのは経営陣の方なのかもしれません。
by mmwsp03f
| 2010-07-24 03:54
| 社会問題一般