まあ思いついたことをつらつらと書き綴っています(写真は奥多摩から見た富士山)。


by M.M@Kanagawa
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ライトノベル盗作問題

昨日,葵ゆうというライトノベル作家が,同じ出版元(角川書店)で発刊されているライトノベル作品から部分的に流用していたことが発覚したとの発表がありました。

この事実に対して,出版元の角川書店では,既に発刊済の書籍の廃刊と出版予定であった作品の刊行中止を明言。
「編集部としても強く責任を感じており、今後は新人作家のモラル向上、作家育成も含め、再発防止に努めて参る所存です」とのコメントを発表しています。

角川ラノベ、またも盗作発覚で発売中止&回収 作家は断筆を示唆
(オリコン:7月5日配信)

先月にも角川グループの出版社でライトノベル流用が発覚したばかり。
立て続けに起こった盗作問題に,角川グループとしても今後どのような対応をとっていくかが注目されています。

哀川譲さんのライトノベル、盗作の疑い 自主回収へ(asahi.com:2010年6月8日)

ライトノベルというと,漫画やアニメの原作にもなる青少年向けの書籍ですが,どうも最近は古い時代の資本主義に見られた「大量生産・大量消費」の傾向が著しかったようで,作家も新しい作品を生み出すのに苦労していたようです。

大量生産を強いる出版元に対するプレッシャーから行き詰って,他著流用に走ってしまったことも考えられるので,一概に作家を責めるのはよくないと思います。

もちろん,作品を世に送り出す作家の責任は重大です。

しかし,角川ビーンズ編集部のコメントに「新人作家のモラル向上、作家育成も含め、再発防止に努めて参る」とありますが,なんか作家に問題あり的な発言が目立ちますね。
自分たちの編集方針・発刊計画の問題点についてはちゃんと考えているのでしょうか?
記事からはそこのところが見えてきませんので,なんともいえないところではありますが・・・。

ソーシャルブックマークの投稿などを見てみても,ライトノベルはどれもこれも似たようなものが多いという意見が多数見られます。
これは,出版社側が「今は,こういうのが流行るから」というように題材を指定して,書かせているからといえなくないと思います。
最近,やたらとファンタジーモノが多いのはそのせいでしょう。

出版社側が題材を指定するということもあるでしょうが,このような流用・盗作問題が起こってくるのには,作家自身の「引き出し」があまりにも少ないからではないかとも思ったります。

「引き出し」とは,作品のネタ元になる情報・逸話のことです。

昔の作家も今の作家も,作品のネタには一番苦労させられます。
しかし昔の作家は,ネタ不足は綿密な取材・体験によってそれを補い,作品に活かしてきました。
ところが,最近の作家には,その点が欠けているような気がします。

最近は,芥川賞や直木賞などの文学賞で,かなり若い世代の作家が大賞を受賞して一時的に脚光を浴びますが,その後は鳴かず飛ばずで,いつの間にか消えているというのが多いようです。

『蛇にピアス』で芥川賞を受賞した金原ひとみ氏は,その後も作家を続けていますが,今は受賞当初ほどの注目されていないようです。
受賞当初は,『蛇にピアス』が映画化されたり,漫画も刊行されたりと大きな注目を浴びていましたが,最近はぱっとしないようです。

作家がスランプに陥ることはよくあることですが,それを克服するには,やはり体験・情報の収集が不可欠ではないかと思います。
特定の分野に限定して作品を書こうとするのではなく,広くいろいろなものを吸収するという努力が必要でしょう。

机の上で作品を生み出そうとしても,机の上にはネタは存在しません。
作品をよりよいものにするために,より自分の見聞を広めることが重要なのではないかなと,今回の問題を目の当たりにして考えた次第であります。
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by mmwsp03f | 2010-07-06 20:11 | 日々雑感